ArduinoはDIYのハードウェアマニアにとって、天の恵みのようなものだが、でも単体ではほとんど何もできない。そこで、何をやりたいかに応じていろんなアドオンボード、いわゆる“シールド”を付けることになるが、それにはけっこうお金がかかる。音を出したいなら20ドル、インターネットに接続したいなら50ドル、GPSが欲しければそれも50ドル、…というぐあいに。
10月のDisrupt Europeで、エジプトから来た8名のチームが、みんなをびっくりさせた製品で会場賞に選ばれた。その製品1Sheeld(ワンシールド)は、スマートフォンからコントロールする多目的シールドで、だいたいArduinoにやらせたいことは何でもできる(上の画像のスマートフォンの画面のメニューに機能のリストの一部が映っている)。本日(米国時間11/21)、そのプロジェクトがKickstarterに登場したが、その日のうちにたちまち、目標額を達成してしまった。
そのアイデアは、うそみたいにシンプルだ。Arduinoで何かを作るためには、いろんんなセンサや、入力(スイッチ、スライダーなど)、出力(画面、スピーカなど)が要る。センサは、いろいろ探さなくてもスマートフォンの中にたくさんある。入力も、スマートフォンの画面のタッチインタフェイスで十分だろう。スイッチやスライダーやキーパッドなど、なんでも演じられる。出力は、画像音声ともに、完璧だ。だからスマートフォンをシールドにしたらいいじゃないか。というわけで1Sheeldが誕生した。
1Sheeldは、Arduinoをスマートフォンに接続する(今はAndroidのみ)。そしてスマートフォンのディスプレイや加速度計や磁気センサやWiFiや電話、GPS、ジャイロスコープなどなどの機能を利用する。またそのアプリにより、スマートフォンのディスプレイ上でスイッチやスライダーやキーパッドをエミュレートし、出力としてはスマートフォンにLCDディスプレイを演じさせる。スマートフォン上のアプリは、Bluetoothで1Sheeldとデータのやりとりをするし、ユーザのやりたいこと/やらせたいことのインタフェイスでもある。
今の1Sheeldのアプリにできないことは、近くそのAPI/SDKが公開される予定だから自分で機能を実装できる。あなたのカスタムアプリ(1Sheeldにやらせる新機能)をアプリストアにアップロードして売ってもよい。
ただし、あなたのArduinoプロジェクトが実用段階に入るときには、そいつにスマートフォンを取られっぱなしでは困る。スマホに代わって恒久的なソリューションを作るためのソフトウェアライブラリも、すでに用意されている。その作業を容易にするために、できるかぎりシンプルなライブラリ作りを心がけたそうだ。
今朝Kickstarterに登場したこのプロジェクトは、目標額1万ドルを掲げていたが、宣伝も何もしないのに、その目標は6時間足らずで達成された。ぼくがこの記事を書いている時点では、集まった額は2万ドルを超えている。お値段はDisruptのときの発表価格よりやや高いが、でもわずか50ドルだ(初期の出資者向けのサービス価格もあったがそのぶんは売り切れ)。生産のためのパートナーはすでに中国で見つけたから、正規の発売は来年の5月を予定している。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))