TechCrunchでは前後にライトが装備された自転車ヘルメットを紹介したことがある。しかしボストンのハードウェア・スタートアップ、Lumosが開発しているのはフロントライトに加えて無線接続で点滅する左右のウィンカー、内蔵の加速度計に反応して自動的に点灯するブレーキランプを装備したスマート自転車ヘルメットだ。
開発チームは、さきほどKickstarterでのキャンペーンを開始した。量産開始のためのクラウド・ファンディングの目標額は12万5000ドルで、資金が集まれば来年4月の出荷を予定している。これまでのところ資金はメンバーの自己資金と数人のエンジェル投資家によってきた。
「現在、ウィンカーとブレーキランプを装備した自転車ヘルメットは市場に出ていない。 Lumosが初めての製品となるはずだ。サイクリストはこれによって自分の意図を周囲の自動車や歩行者に効果的に伝えることができるようになり、安全性の向上に大きく寄与する」と共同ファウンダーのEu-wen Dingは言う。
Lumosの後部の三角形に配置されたLEDは走行中は点滅しているが、サイクリストがブレーキをかけて減速すると常時点灯に変わる。ヘルメットの左右に設けられたウィンカーは自転車のハンドルに取り付けられるリモコンスイッチでコントロールされる。右ないし左のスイッチを押すとそれぞれの側のウィンカーが点滅し、ヘルメットの内部でビープ音が鳴り、ウィンカーが作動していることをサイクリストに知らせる。
Dingによれば、ウィンカーの操作には2.4 GHz RFチップが用いられているという。「RFチップによる無線通信は信頼性が高く電力消費も少ないのでこの用途には最適だ」とDingは説明する。
ハーバードビジネススクールに通っていたDingはハーバードで開催されたスタートアップイベントで機械エンジニアでもう1人の共同ファウンダーになるJeff Chenと知り合った。DingはChenにスマート自転車ヘルメットのアイディアを売り込み、その後2人はMITのハードウェア・ハッカソンでヘルメットのプロトタイプを製作して優勝した。そこでDingはビジネススクールからドロップアウトしてフルタイムでLumosに取り組むことにしたという。
Lumosでは9ヶ月前からヘルメット製造に関して中国のメーカーと協力している。IoTデバイスを専門とする香港のBrincアクセラレータのプログラムにも参加した。
Kickstarterの最初期の出資者は1個85ドルでLumosヘルメットを入手できる。その後時期が後になるにしたがって99ドル、119ドルなどとなる。この記事の執筆時点ですでに5万ドルの出資の約束が得られている。プロジェクトの発表後まだ1時間もたっていないので、目標額を達成できることは間違いない。
〔日本版〕翻訳の時点で9万7349ドルの出資の約束が集まっている。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)