スマートTVハブのSolaborateが10億円調達、デンマークの医療技術企業傘下のEPOSをパートナーに

Labinot(ラビノット)とMimoza(ミモザ)の Bytyqi(バイティキ)兄弟が、1999年にコソボの内戦から逃れて難民として米西海岸に渡ってきたときは、自分たちがハイテク企業を設立するようになるとは夢にも思わなかった。

だが大人になった2人は、CiscoPolycomといった古いビジネス用システムからほとんど進化していない67億ドル(約7300億円)規模のテレプレゼンスと映像コミュニケーションの市場に戦いを挑んだ。彼らのSolaborate(ソラボレート)製機器をスマートTVと組み合わせたところ、劇的に安価な機器とプラットフォームが出来上がったのだ。

現在Solaborateは、EPOSとデンマークのDemant Groupから1000万ドル(約10億8000万円)のシリーズA投資を決めたところだ。EPOS(エポス)はデンマークの医療技術企業であるDemant Groupの下で設立された新しい企業で、業務用とゲーム用のハイエンドの音響機器を作っている。この資金は、Solaborateの新製品である、すべての機能を一体化させた装置であるHELLO(ヘロー)と、クラウドコミュニケーションプラットフォームの開発促進に使われる。

Kickstarterのキャンペーンを2回成功させたSolaborateは、現在はEPOSと組んで、コンピューター、マイク、スピーカー、スマートTVを彼らの技術と合体させた、EPOSブランドの、EPOSが完全に所有権を持つ製品の開発を行う予定でいる。これには、Solaborateが特許を持つ自動エコー除去ディレイも含まれる。

創設者でCEOのLabinot Bytyqi(ラビノット・バイティキ)氏は「プライバシーは人間の基本的人権だと私たちは信じています。そのため私たちは、みんなが守られ安心できるよう、HELLOに、映像と音声のハッキング防止プライバシー管理機能と、終端間の暗号化機能を内蔵させています」と語る。

HELLOは、HDMIと電源のたった2本のケーブルだけで使用でき、あらゆるテレビを、オープンでプラットフォームに依存しない、音声コントロール可能なコミュニケーションとコラボレーションのための機器に変換し、ビデオ会議プラットフォームに対応させる。利用できるサービスは、Microsoft Teams、Google Hangouts Meet、Zoom、Skype、Cisco WebEx、Facebook Messenger、WeChat、BlueJeans、Fuze、Unifyなどだ。

この提携は、ビデオコラボレーションに焦点を絞り、統合された音響と映像の技術を、マイクロソフトなど、EPOSの現在の戦略的パートナーのプラットフォームに供給する。

彼らは開かれたドアに向かって歩を進めている。ビデオ会議市場は2022年までに、18億ドル(約1960億円)から28億ドル(約3053億円)を超える規模に拡大すると一部の研究は予測している。

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(翻訳:金井哲夫)

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TechCrunch Japan

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