スーパーボウルの技術的問題は、最新テクノロジーで解決できる

SAN FRANCISCO, CA - FEBRUARY 04:  A  large graphic of the Vince Lombardi Trophy promoting Super Bowl 50 is displayed on a skyscraper on February 4, 2016 in San Francisco, California.  (Photo by Mike Windle/Getty Images)

【編集部注:Steve Wilkesは、Striimの最高技術責任者】

スーパーボウルは、アメリカが誇る栄光のスポーツイベントだが、不運な出来事も少なくない。それは終了直前のファンブルでも、フィールドゴールの不成功でも、明白なインターセプトでもない。フィールド以外のところで起きて、ゲームを止めたり行方を変えたりした出来事だ。

多くのケースは、今日のリアルタイム技術があれば、近代技術による不測の事態を容易に回避できていただろう。

2013年、スーパーボウルXLVIIの最中に停電が起きた。皮肉にも、原因は停電を防ぐために特別に作られた装置だった。「異常」を検知した装置はブレーカーを落とすという決定を下し、フィールドへの送電を34分間遮断した。

スマートグリッドがあれば助かっていたかもしれない。

複数のセンサーがスタジアム全体の電圧と電流のレベルを測定、監視し、予想される利用量と比較する。冗長回路には複数のブレーカーが設置され、解析ソフトウェアが異常を検知し、必要に応じて電力経路を変更する。照明が暗くなったり、暖房やバーの明かり等、重要度の低いシステムは切断されるかもしれないが、ゲームは続行されただろう。

1982年、スーパーボウルXVIのために、バスでチームはシルバードームに向かっていた。バスはそれぞれ異なる経路を通り、サンフランシスコ49ersを乗せたバスは、悪天候に加えて、ブッシュ副大統領のパレードによる渋滞に巻き込まれた。試合前1時間以内に到着したにもかかわらず、49ersは26-21で勝利を飾った。

クラウドソーシングアプリやリアルタイム道路センサー、ストリーミング分析等による動的な経路変更を行っていれば、最悪の渋滞を免れていたかもしれない。またGPSによるリアルタイム位置追跡が、NFLに窮状を伝えていただろう(あるいは、もちろん携帯電話で連絡することもできた)。

スーパーボウルとは直接関係ないが、フットボール関連の特別賞は、1968年の「ハイジ・ボウル」と2014年のシーホークス開幕ゲームに贈られる。

スマートフォンの急速な普及と、人々のシェアへの愛と遍在する写真・ビデオによって、携帯ネットワークへの負担は益々高まっている。2014年、シアトル・シーホークスの開幕戦では、市の職員らが「不要不急のモバイル通話」を控えるよう市民に依頼したほどだ。100ヤードの距離から撮ったあの派手なファンブルのビデオをツイートできないなんて ― フェードフィルターをかけ、ベニー・ヒルのテーマ音楽を入れて編集したというのに。

市は、地元に特化した大量の写真とビデオの交換がネットワークに負担をかけることを恐れ、911等の緊急通報のために回線を確保したのだった。

スタジアムにLTE対応の分散アンテナシステムを追加すれば事態は改善できていただろう。

そして最後に ― 1968年、オークランド・レイダーズはニューヨーク・ジェッツと戦っていた。中継したNBCの幹部らは、このゲームの人気にあやかり、新作映画「ハイジ」に視聴者を誘導しようと考えた。

同局はこの映画を強力に宣伝しており、Timexを独占スポンサーに迎えていた。当時ゲームが2時間半を超えることは通常なかったため、午後4時の試合開始に合わせ、ハイジは7時にスタートする予定だった。Timexは(時間メーカーとして)映画を時間通りに放映することにこだわり、契約にもその条項が記載されていた。

しかし、そのゲームでは怪我や反則が通常よりも多く、午後6:45の時点でまだ最終クォーターがゆっくりと進んでいた。ハイジに放送を切り替える担当の技術者は神経をとがらせ、NBCの幹部にゲームの放映を続けるかどうかの判断を聞こうとした。

不運なことに、多くの人々がNBCに電話をかけたため(予定通りハイジを流すか、ゲームを見続けたいかのどちらか)、交換台のヒューズが飛び電話が使えなかった。誰にも連絡が取れないまま、技術者は指示通り午後7時にハイジに切り換えた。ゲームの終了直前、レイダーズは9秒間に2度のタッチダウンを決め、43対23で勝利した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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