Symphonyはセキュリテイーが万全なクラウドベースのコミュニケーションプラットフォームだ。Symphonyは本日、Google,Incと他複数の投資家から累計1億ドルを調達したことを発表した。
先週、Wall Street Journalが最初に Googleがこの投資ラウンドに参加すると伝えた。検索大手の他にも、Lakestar、Natixis、Societe Generale、UBS、そして前回のラウンドでも出資しているMerus Capitalが参加した。
当初は5000万ドルの調達を予定していたが、投資したい企業からの要望が多く、最終的に予定額の倍を調達することになったとSymphonyのCEOであるDavid GurleはTechCrunchに話す。
昨今の株式市場は気まぐれなもので、いつもクラウドサービスに対して歓迎ムードだったわけではない。しかし、Symphonyのサービスを気に入る投資家は多かったようだ。「市場の移り変わりは速く、多くの人は慎重になっていますが、そのような状況にも関わらず、投資家のおかげで、私たちが望んでいた金額より多くの資金を調達することができました」と彼は言う。「私たちが行っている事業の有用性の証明するものでもあります」と話す。
Gurleは、Symphonyが資本市場から出資を求めるのはこれが最後になるだろうと話す。創業から1年ほどしか経っておらず、資金調達ラウンドも2回しか行っていない企業としては異例のことだ。この世で確かなことは死と税金徴収だけと冗談を言いつつ、今のところはそのような計画を立てていると彼は話した。
「資本市場に戻らなくても良い状況にあります。今のところ資本は十分にあり、とても有利な状況です」と彼は言う。
Symphonyは複数のウォール街の投資銀行から、2014年の秋に6600万ドルを最初の資金調達ラウンドで得ている。このラウンドは彼らの主軸である金融サービス向け以外にも拡張するための資金調達だったとGurelは話す。
「私たちは当初から全てのビジネスユーザーが選ぶコミュニケーションプラットフォームになりたいと考えてきました」とGurleは言う。最初に金融サービス向けから始めたことで、どの業界でも通じるコンプライアンスとセキュリティーの基準を設定することができたそうだ。
そして、今回Googleが出資を決めたことも興味深い。Google Venturesではなく、Google, Incが投資しているのだ。Googleがソーシャルの領域で苦戦し、Google+が忘れられたサービスになりつつあることは誰もが知っていることだ。
Googleは他社を物色しているのかもしれない。Symphonyは安全なコミュニケーションツールを提供するだけなく、MicrosoftのSkypeやLyncに対抗するための力になるかもしれない。また、Symphonyは便利なコンテンツのトラック機能を兼ね備えている。これは、例えばSymphony内のハッシュタグやキーワードをフォローしたり、さらにはTwitterといった公開されているSNSのものもフォローでき、Googleにとって魅力があるのかもしれない。
Symphonyは今回調達した資金を売上とマーケティングの拡大に使う計画だ。これまで同社は、従業員130名中100名が開発者と開発に重きを置いていた。開発の人材を強化するとともに、次の12から18ヶ月の間で主にセールスとマーケティングの人材を採用し、従業員の数を倍にする予定だとGurleはいう。
計画には、今後ヨーロッパでの存在感を強めること、そして来年、日本とオーストラリアにオフィスを開設することも含まれている。Symphonyは条件が会えば他社の買収を1つ、2つ検討したいとし、また市場の減速へのリスクヘッジとしてまとまった資金を銀行に温存する予定だ。
Symphonyのプロダクトは誰でも無料で利用できるが、法人レベルのセキュリティー機能を利用するには、法人版のツールを購入する必要がある。
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