Salesforce(セールスフォース)は米国時間1月13日、プログラマーが業界用語で「ヘッドレス」システムとして知られるCommerce Cloud上で、アプリケーションを簡単に構築できるように設計された新しい開発者向けツールを発表した。これにより、開発者はコンテンツをサイトのデザインや管理から切り離すことができ、また企業はどちらのコンポーネントも独自に変更できる。
この目標を達成するために、同社はCommerce Cloudプラットフォームに組み込まれた機能を開発者がゼロから構築することなく利用できるようにする、いくつかの新しく拡張されたAPIを発表した。例えば、Salesforceの人工知能プラットフォームであるEinsteinを利用して、次善のアクションのような要素をサイトに追加することができる。これは、ほとんどの開発が通常は利用していない高度な機能だ。
開発者はこれらのツールとデータを共有するために、eコマースサイトから他のエンタープライズシステムに接続する必要があることも多い。このニーズを満たすために、セールスフォースはMuleSoftを利用している。MuleSoftは、同社が約2年前に65億ドル(約7200億円)で買収している。セールスフォースはMuleSoftの統合技術を利用することで、ERPの金融システムや製品管理ツールといった他のシステムとの接続や、2つのシステム間での情報交換を支援することができる。
CRM Essentialsの創業者でセールスフォースの初期メンバーだったBrent Leary(ブレント・リアリー)氏は、消費者がAmazon(アマゾン)に期待するような統合ショッピング体験を開発者が作成するのに必要なツールを、開発者に提供することを支援すると述べている。
「これらのツールは『Moment of Truth』(真実の瞬間)に提供されるリアルタイムの洞察を開発者に提供することでコンバージョン機会を最適化し、プロセスを自動化して注文とフルフィルメントの効率を向上させる。これにより、Salesforceのエコシステム内の開発者は、Amazonのような体験を提供するために必要なものが得られる」と、Leary氏は語る。
顧客がこれらのツールを快適に使えるようにするため、Salesforceはソリューションを互いに議論し共有できる開発者のコミュニティにアクセスする新しいCommerce Cloud Development Centerと、コードサンプルとTrailhead教育リソースを備えたSDKを発表した。
Salesforceは、今週ニューヨークで開催されるNational Retail Foundation(NRF)Conferenceの一環として、これらを発表した。
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(翻訳:塚本直樹 Twitter)