タイピングのクセで個人特定する技術を開発するTypingDNAが約7.6億円調達

ルーマニアのブカレストで4年前に創業され、最近ニューヨークのブルックリンに本社を移したTypingDNAが、ある面白い技術で700万ドル(約7億5600万円)の資金を調達しようとしている。それは、ラップトップやモバイルデバイス上のタイピングの特徴からその人を当てるAI技術だ。

資金調達の申請書類によると、同社は2018年の後半にTechstars NYCの育成事業を卒業して、130万ユーロのシード資金を獲得している。これまでの同社の資金調達総額は525万ドルに達する。

タイピングのバイオメトリックスは、各キーの押されたときと離されたときの詳細なタイミング情報からキーボードを叩いている人を特定する。特に新しい技術ではなく、2年前のPCWorldの記事によると、研究は20年前にさかのぼるそうだ。あまり正確でないので、個人を認証する方法としては普及しなかったとも書いてある。しかしTypingDNAは、同社のタイピングパターン認識技術の精度は99%から99.9%の間だと自信を見せる。

同社をこれまで支援してきたGapMinder Venture Partnersは、アムステルダムのベンチャー企業だ。SECへの提出書類によると、今度の新しいラウンドはGradient Venturesが支える。ここはGoogleのAI専門のベンチャーグループで3年前に誕生した。

TypingDNAが11か月前にシードラウンドを調達したときには、同社はその資金を技術の改良と、金融とエンタープライズ方面への市場拡大に使う、と言っていた。そこで今同社は、アイデンティティ(本人特定)と詐欺の防止に力を入れている企業とのパートナーシップを増やそうとしている。

同社のサイトによると、教育機関との連携にも力を入れていて、研究や宿題の身代わり提出を防ぐために同社の技術が使われるようだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a.hiwa

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TechCrunch Japan

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