タクシー相乗りアプリ「nearMe.」が新潟・長岡で実証実験を開始

NearMe(ニアミー)は7月1日から、新潟県長岡市と同市のハイヤー協会と共同で、タクシー相乗りサービスの実証実験を開始すること発表した。実証実験は2回に分けて実施予定で、第1クールは7月1日〜8月31日、第2クールは10月1日〜11月30日。

タクシーで同じ方向に移動する利用者同士をマッチングすることで、タクシーの待ち時間を減らし、タクシー料金を半額程度に抑えられるサービス。利用したタクシーへは後に降りる利用者が料金を支払うが、先に降りる利用者は後に降りる利用者にアプリ内決済で相乗り料金を支払う仕組みなので、相乗りした利用者同士での現金のやり取りは不要。現在のサービス提供エリアは、出発地が東京都と神奈川県、そして埼玉県の一部エリアとなっている。

日本国内では、UberXのように二種免許を取得していない一般人の営業運転(対価を支払う移動)は法律で禁じられている。また、東京や大阪などの大都市では「Uber」「JapanTaxi」「MOV」「DiDi」など、ハイヤーやタクシーの配車サービスはあるが、料金が高い、迎車料金が発生するなどコストがかかり、残念ながらプライベートで気軽に使える移動手段ではない。また、都市部でないとタクシーそのものの数が少ないため、配車まで時間がかかることも多い。

NearMeは、こういったタクシーのコストや配車時間の問題を相乗りというかたちで解消する、2017年7月設立のスタートアップ。昨年TechCrunch Japanが開催した「TechCrunch Tokyo 2018」のビッチコンテント「スタートアップバトル」で応募100社超の中から選ばれたファイナリスト20社のうちの1社でもある。ちなみにNearMeと異なるアプローチだが、ガソリン代などの実費と手数料、謝礼を支払うというかたちで一般人ドライバーの車とマッチングできる「Crew」というサービスもある。

今回の長岡市での実証実験は、高齢者のほか、スーパーマーケットなどが近隣にない、いわゆる買い物難民がタクシーを気軽に使えるようにする取り組み。相乗りによって低料金でタクシーを利用可能となることで、深刻な問題となっている高齢者の運転操作ミスによる自動車事故の軽減にも寄与するはずだ。

また長岡市には、国営越後丘陵公園や寺泊水族博物館、長岡城址などの観光スポットがあり、相乗りのって低価格になるタクシーを移動手段に使うという選択肢も生まれるだろう。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。