タッチで操縦する宇宙船Crew Dragon、僕らはまた一歩SF映画に近づいた

革新的に進めるか、それともこれまでに実証された方法に留まるかの判断ができずしてまったく新しい宇宙船を製造することはできない。Crew Dragonの製造にあたり、SpaceX(スペースX)はボタンやダイヤルを廃止し、全面的にタッチスクリーンを採用することにした。今月後半に飛行する宇宙飛行士も長年の訓練と筋肉の記憶を取り払う必要があるが、それほど悪くないと彼らは言う。

まもなくDragonカプセル乗り込んで国際宇宙ステーションに向かう2人の宇宙飛行士、Bob Behnken(ボブ・ベンケン)氏とDoug Hurley(ダグラス・ハーリー)氏は、同宇宙船を実際に操縦する最初の2人となる。

「新品の宇宙船で飛行することができるなんて、おそらくテストパイロット学校中の生徒の夢でしょう。良い友人と共にこのような機会を得ることができて私はとても幸運です」と、NASAが放送した記者会見でベンケン氏は言う。

もちろん、彼らは万全の準備を整えて飛行に臨んでいる。シミュレーターでは無数の時間を費やし、初期の段階からSpaceXと協働で取り組んできた。

「SpaceXに出向き、さまざまな制御メカニズムを評価したのは少なくとも5〜6年前のことです」とハーリー氏。「彼らは機体をどのように操縦するべきかを検討しており、最終的にタッチスクリーンインターフェイスが選ばれました」。

「もちろん、パイロットとしての私の全キャリアの中で身につけてきた機体のコントロール方法とは確かに異なりますが、我々はとてもオープンマインドな心持ちで取り組んだと思います。機体を正確に飛ばし、誤って触れたり間違った入力をしたりしないようにするため、彼らと協力して調和方法、つまり自分のタッチを実際にディスプレイと結び付ける方法を定義しました」。

同記事のトップの写真と以下の写真を比較してほしい。以下は宇宙飛行士がロシアのSoyuzカプセルの操縦を学ぶための物理シミュレーターの写真だ。

従来の操縦室

どちらも正直、足まわりのスペースがゆったりしているとは言えない

もちろん最新の航空機であってもいまだ非常に多くの物理的な制御装置が装備されている。パイロットは慣れているだろうが、設計は間違いなく古いと言える。

ベンケン氏によると、これらの宇宙船は、ISSに行きドッキングするという特定の目的を念頭に置いて作られている。この機体で火星に行くわけではないため、その事実が設計と操縦方法に影響しているのだ。

「この飛行タスクは非常にユニークなものです。宇宙ステーションに近づき、近接して飛行し、その後ゆっくりと接触。これはおそらくスペースシャトルや航空機の飛行で通常見られるものとは少し異なります」とベンケン氏は控えめな表現を用いて言う(実際は夜と昼ほどの明確な違いがある)。「タッチスクリーンインターフェイスを審査した際、我々は実際に目下のタスクに焦点を当て、この特定のタスクにおいて優れたパフォーマンスを発揮できるよう努めました」。

プロトタイプのCrew DragonはすでにISSに打ち上げられ帰還している。自律的かつ遠隔的に操縦されたものだ。

「我々にとっても彼らにとっても、当初はこういったさまざまな設計上の問題に取り組むことには困難がつきまといましたが、タッチスクリーンを用いた手動飛行の観点からすると、機体は非常にうまく飛ぶようになりました」とハーリー氏。

「違いとしては、スティックを使用する場合と比較して入力を行う際は非常に慎重に行う必要があるということです。たとえば飛行機を操縦している場合、スティックを前に押すと機体は下に下がります。タッチスクリーンで実際にそれを行うためには、スクリーンと私が調和しなければなりません」。

「タッチスクリーンへの切り替えが必ずしもすべての飛行タスクに適しているとは、私は思っていません」とベンケン氏。「しかし今回のタスクでISS近くまで安全に飛行するためには、タッチスクリーンが十分な機能を果たしてくれると思っています」。

ハーリー氏によると、操縦のための機構と読み出された情報がすべて同じ場所にあることは大きな利点だと言う。「たとえば、機体を飛ばすために見ているのと同じ場所に、ドッキングターゲットが表示されています。なのでこれまでとは少し異なる方法ですが、このデザインは全体的に非常にうまく機能しています」。

しかし、シミュレーターで学べることは限られている。この最初の有人飛行はまだテスト段階であり、カプセルの次のバージョンを完成させるには今回からのフィードバックが必要だ。結局のところ、数十年前に遡るシステム上で20もの異なるノブのポットを再配線するよりも、ソフトウェアの更新をプッシュする方が簡単なのだ。

「我々はこのテスト飛行の一部を担う者として、飛行前の段階や宇宙ステーション付近でも機体の実際の手動飛行能力をテストできるように設計しました」とハーリー氏は説明する。「期待どおりに作動するか、シミュレーターで見せた飛行通りかを確認するためです。将来の飛行士が手動で宇宙船を飛ばす必要が生じた場合に備え、飛行テストでは他の事項同様に用意周到でなければなりません。つまり、Crew Dragonのさまざまな機能をすべてテストするために、我々がやれることをすべてやっているわけです」。

すべてが計画どおりに進んだ場合、今月後半に飛行予定のCrew Dragonの同バージョンについて、今後さらなるニュースを耳にできることだろう。差し当たって、著者はSpaceXとNASAの両方に、制御方式とその開発に関する詳細情報を求めておいた。

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Category:宇宙

Tags:Crew Dragon SpaceX 宇宙船

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(翻訳:Dragonfly)

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TechCrunch Japan

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