英国情報通信庁(Office of Communications, Ofcom)が行った調査によると、子どもたちによるタブレットの利用が増加しており、とりわけ、ますます多くの低年齢児童が、タブレットでビデオを見たりゲームをプレイしたりインターネットにアクセスするようになっている。
この、子どものメディア消費行動に関する年次報告書は、5歳から15歳までの年齢層の子どもたちの携帯電話保有率が、前年の49%から2013年は43%に低下した、と述べている。低下は、2005年の調査開始以降初めてである。
Ofcomによるとこの低下の原因は主に、8~11歳の層における通常の携帯電話の保有率が大きく下がったことにある。この年齢層における通常の携帯電話保有率は、2012年28%に対し今年は15%と大きく落ち込んだ。今やフィーチャーフォンは子どもにも売れない、ということだ。
しかし、携帯の不調とは対照的に、タブレットの利用は全年齢層で増加している。前記8~11歳層では、18%がスマートフォンを保有し、また同じ率でタブレットが保有されている。しかし、スマートフォンが前年比でやや横ばい的であるのに対して、タブレットの保有率は2012年のわずか4%から1年でほぼ4倍以上に伸びたことになる。
ただしスマートフォンの保有率は8~11歳層よりも、年長の12~15歳の層の方が高い。年長の子はコミュニケーションに関心があり、年下の子はオーディオビジュアルなコンテンツを見たりゲームをすることに関心が集中しているようだ。そんな一般的な傾向の中でもしかし、年長グループにおいてもタブレットの利用は増加している。
12~15歳層では大多数(62%)がスマートフォンを保有し、その保有率は昨年と変わりないが、この層においてもタブレットの保有率は急増し、昨年の7%から今年は26%(ほぼ4人に一人)にはね上がっている。
しかしタブレットの利用者の増加はむしろ低年齢児童において著しく、5~15歳の層全体ではタブレットの利用者率が14%から42%に増加している。3~4歳の幼児では28%がタブレットを利用しているが、この層は、親のタブレット使う機会も多いと思われる。
タブレットの利用は5~7歳の層でも急増し、昨年の11%から本年は39%となっている。8~11歳の層でも、利用者率は13%から44%に増えている(タブレット保有率は18%)。これらの若いインターネットユーザは、家でインターネットにアクセスするときタブレットを使う機会の比率が、前年の4%に対し本年は19%に増加している。ほぼ5倍である。
“タブレットコンピュータの人気が急速に成長し、すべての年齢層の子どもたちにとって、必須のデバイスになりつつある”、と報告書は書いている。
タブレットの利用の増加とともに、従来的なデバイスによるインターネットアクセスは減少している。すなわち、子どもたちがラップトップやネットブックやデスクトップコンピュータを使ってインターネットにアクセスしている比率は、2012年の85%から本年は68%へと落ち込んでいる。それに対しタブレットやモバイルでインターネットにアクセスする率は昨年に比べほぼ倍増し、それぞれ、13%、11%となっている。
さまざまなデバイスによるインターネットアクセスが増えるに伴い、子どもたちのエンタテイメントの源泉としてのテレビの役割は低下している。昨年と比べると、テレビではなくラップトップやタブレットや携帯で番組を見る子どもたちが増え、5~15歳の層ではほぼ半数(45%)がそうしている。昨年のこの比率は、34%だった。
ソーシャルの変化
子どもたちのソーシャルメディア行動も、変わりつつある。12~15歳の層の、ソーシャルメディア上に自分のプロフィールがある者の率が、初めて81%から68%に低下した。
子どもたちによるソーシャルメディアのメディアミックスにも変化があり、同じく12~15歳層では、Facebookにプロフィールがある者の比率が前年からほぼ横ばいで97%、しかしBeboは8%から4%に低下した。そしてTwitterは、25%から37%に増加している。
Twitter以外にも、YouTube、Instagram、Tumblrなどでプロフィールの増加が見られる(下図):
この年齢層では、インスタントメッセージングの人気が上がっている。すなわち12~15歳層では毎週ソーシャルネットワークを訪れる者の比率が75%から67%に減少し、IMの利用は45%から55%に増えている。
スマートフォンを持っている子どもは、一週間に平均184通のインスタントメッセージを送っていると推計される。またSMSの人気も依然として高く(キャリアには朗報!)、同じく12~15歳層では毎週平均で255通のショートメッセージを送っており、昨年の193通に比べて増加傾向にある。
子どもたちはインターネットを何のために使っているのか? 8~11歳の層では、週に一度以上は学校の勉強のために利用する、が75%、次位がゲームの54%、情報を見つけるため、が45%だった。
インターネット電話やインターネットによるビデオ電話の利用も増加傾向にあり、週一回以上の利用は昨年の5%から今年は10%に増加した。また写真共有サイトの利用も、2%から5%に増加している。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))