ツイッターがクリエイターのための収益化ツール「Super Follows」「Ticketed Spaces」を導入

Clubhouse(クラブハウス)からPatreon(パトレオン)に至るまで、一歩リードしている競合相手へのTwitter(ツイッター)の最新の対抗措置として、同社は米国時間6月22日、Super Follows、Ticketed Spacesへの申し込みの受付を開始すると発表した。

TwitterはSuper Follows機能の一部を2月のAnalyst Dayイベントで紹介していた。Super FollowsではTwitterのクリエイターはフォローしている人に月2.99ドル(約330円)、4.99ドル(約550円)、9.99ドル(約1100円)で有料コンテンツを提供して毎月収益を生み出すことができる。18才以上のユーザーで、フォロワー1万人超を抱え、過去30日に少なくとも25ツイートしていることが利用要件だ。

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Twitterは、アプリ内購入手数料を引かれた後のクリエイターの売上高の3%を徴収する。しかしApp StoreとGoogle Playではアプリ購入手数料は30%で、つまりクリエイターにとってはフォロワーが支払う額の3分の2が実入りとなる。Twitterでの生涯収入が5万ドル(約550万円)を超えると、Twitterは「手数料を引かれた後の将来の収入の20%」を徴収する。アプリ内購入手数料の30%と合わせると、クリエイターの手元に残るのはフォロワーが払った額の半分だ。一方、Patreonはクリエイターの売上の5〜12%を取っている(ウェブベースのプラットフォームなのでアプリ内購入手数料を回避している)。主にTwitterで自身のオーディエンスに関わっているクリエイターはフォロワーを他のアプリに誘導することなしに収益を上げる方法を持つというメリットを享受する一方、支払いにおける違いは明白だ。クリエイターはSuper Followsのために既存のPatreonシステムを見捨てることはないが、控えめにいうとこれは補足的な収入源となるかもしれない。

「当社のゴールはTwitterで会話しようという気持ちにさせ、お金を稼げるようサポートすることです」とシニアプロダクトマネジャーのEsther Crawford(エッシャー・クロフォード)氏は話した。「Twitterでいかに新たな声をサポートできるかについての検討に時間をかけた後、当社は収益配分率を改訂しました」。

Ticketed Spacesは、ClubhouseやSpotify Greenroom、他の競合サービスが似たようなオプションをまだ提供していないことから、より有望なようだ(DiscordはStage Discoveryポータルで有料のオーディオイベントをテストしているが、まだ正式展開はしていない)。Ticketed Spacesを通じてユーザーは1〜999ドル(約110円〜11万円)の間でチケット価格を設定できる。クリエイターはチケットの販売枚数を制限でき、これはセレブとの1対1の会話のために999ドルというチケット価格を実際に使うよう誰かにインセンティブを与えるかもしれない。Twitterはプッシュ通知とアプリ内の通知でTicketed Spacesが開催されていることを出席者にリマインドする。過去30日以内に3つのSpacesをホストした18歳以上のユーザーがTicketed Spacesへのアクセスを申し込める。

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ClubhouseとInstagramはライブオーディオスペースでリスナーがスピーカーにチップをあげたりバッジを贈ったりできる機能を展開しているが、前売り券の販売は不可だ。トップクリエイターがこうしたアプリで収益をあげる別の方法は、Creator Fundsを通じてだ。Spotify GreenroomClubhouseはいずれもCreator Fundsの計画を発表したが、TwitterでのTicketed Spacesへのアクセス販売に比べてどれくらい稼げるのかはまだ不明だ。

今回のTwitterのアップデートの前には、アクティビストシェアホルダー(物言う株主)が2020年、CEOのJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏を追放しようと試みた。ここへきて、Twitterは急速に新機能を追加しRevue(ニュースプラットフォーム)やUeno(クリエーティブ・エージェンシー)、Breaker(ソーシャルポッドキャスティングプラットフォーム)といった企業を買収している。

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Super FollowsとTicketed Spacesはモバイルでのみ(なのでアプリ内購入手数料の回避はない)、米国居住者だけが利用できる。現在Super Followsへの申し込みはiOSユーザーだけだが、Ticketed Spacesへの申し込みはiOSとAndroidの両方でできる。Twitterは新しいMonetization(現金化)ボタンをアプリのサイドバーに加えていて、そこでユーザーはこうした機能のためのテストグループへの参加を申し込めるかチェックできる。新機能は数カ月以内により広範に利用できるようになる。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Twitterクリエイター

画像クレジット:Twitter

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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