テクノロジー企業と法執行機関との協力の停止を訴える「テクノロジーは中立ではない」キャンペーン

法執行機関と協力したり、彼らに技術を提供している企業は少なくない。Amazonのドアベルカメラ企業Ringは1300以上の警察とパートナーしているし、Amazon Web Services(AWS)はそのプロダクトを移民税関取締局(ICE)に売っている。また、GoogleはG Suiteツールを警察に売り、Microsoft(マイクロソフト)にはシアトルの警察との契約があって、同社のGitHubにはICEとの契約がある。そしてNextdoorは、そのAgenciesアプリで警察とパートナーしている。

このようなパートナーシップを警戒する人びとによって、Tech Is Not Neutral(テクノロジーは中立でない)と名乗るキャンペーンが生まれた。創始者はチャリティNPOのKairos Fellowshipで、これにThe Movement for Black LivesやMedia Justiceなどの団体がパートナーしている。

Kairos FellowshipのキャンペーンマネージャーJelani Drew-Davi氏は、TechCrunchに次のように語った: 「Black Lives Matterのような黒人解放運動が起きると、テクノロジー企業とそのCEOたちは一応賛意を示すが、しかしテクノロジー企業は実際には、人の命や民主主義ともっと深く関わっている。テクノロジー企業の製品は人びとに現実的な結果をもたらし、それが良くない結果であるときには黒人などの有色人種がいちばん被害を受ける。このキャンペーンは、テクノロジーのこのような不公平をなくすことが目的だ」。

このキャンペーンは7月初めに立ち上がり、まず大手テクノロジー企業のCEOらに公開書簡を送った。その書簡の宛先は、AmazonやMicrosoft、Nextdoor、およびGoogleのトップで、Black Livesのためのアクションを要求している。しかしDrew-Davi氏によると、キャンペーンの現在のフォーカスはNextdoorとMicrosoftだ。6月にはNextdoorが、情報を警察に送る機能を無効にしたが、Tech Is Not Neutralキャンペーンの人たちは、ほかにもやるべきことがある、と言っている。

Drew-Davi氏はこう言う: 「Nextdoorは近隣社会の何千人もの人びとを結びつけるが、その人種差別問題は何年も前から詳しくドキュメントされている。それは、警察とのパートナーシップにより人びとが一方的に黒人を悪人として通報できることだ。それが、問題なのだ。Nextdoorはモデレーターを教育訓練すると言うが、警察との関係を断つとは言わない。彼らのプラットホームの上で黒人を保護するために、第一番にやるべきことがそれなのに」。

Microsoftの場合は、シアトル警察との契約に加えて、同社は米国防総省との100億ドルの契約を他社と競っている。またMicrosoftには2016年以来、国防総省やそのほかの法執行機関との5000件を超える下請け契約がある

Drew-Davi氏は曰く、「Microsoftには、国と州の両方のレベルで政府との深く絡み合った関係があり、それに関する情報の公開はない。われわれも、あの記事を読むまでは知らなかったのだ。Microsoftは、監視を要する重要な企業だ。Microsoftに光を当てれば当てるほど、このおなじみの名前の企業が私たちに害を与えていることが、分かってくる」。

Kairos Fellowshipのこのキャンペーンの直近のステップは、これらの企業との会話と、具体的な要望の提出、そして要望に彼らが同意しなければこれらの行為を一層強化していくことだ。Kairos Fellowshipの常務取締役Mariana Ruiz Firmat氏は、TechCrunchにそう語った。

Firmat氏は曰く、「これまでは、テクノロジーは中立であるという主張を隠れ蓑にして、テクノロジー企業は人種差別を許容し、権威主義を広め民主主義を破壊するやり方で彼らの技術が使われてきた。私たちがとても重要と感じているこの戦いは長期戦になると思うが、これまでテクノロジー企業に対して漠然と想定してきた中立的という見方を一掃して、実際には偏向があることを私たちは認めるべきだ」。

Microsoft(マイクロソフト)は、この記事に対するコメントを拒否した。そしてNextdoorとGoogleとAmazonは、本誌のコメントの求めを無視した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

投稿者:

TechCrunch Japan

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