テスラモーターズのファウンダーであるElon Muskが、D11カンファレンスにおけるキーノート講演で、電気自動車事業に参入した理由を述べていた。曰く、他に誰も電気自動車を作ろうとしなかったからなのだそうだ。Musk自身、電気自動車事業への参入が「最も無分別な行為のひとつ」であり、気違い沙汰のようにも感じられたと話している。
「ほとんどの人は正気の沙汰でなく、大変に愚かしいことであると考えたようです」とMuskは述べる。「私自身が参入を決意したのも、目の前に広がる大きな市場をイメージしたからというわけではありません。あまりにもリスクが高く、大手自動車メーカーが参入してくることはないだろうと考えたからなのです」とのこと。
SpaceXおよびSolar CityのファウンダーでもあるMuskは、リスクを考慮しつつも、交通手段にも「持続可能性」(サステナビリティ)の視点が必要だろうと考えたのだった。しかし、電気自動車を作って、一般向けの市場で販売しようというアイデアはなかなか他の人には受け入れてもらえなかったそうだ。
「自動車業界は、2つの先入観に囚われていたのです」とMuskは言う。「ひとつは市場性のある電気自動車など開発不可能だというもの。そしてもうひとつは誰も電気自動車など欲しがらないというものです」。
テスラは既に電気自動車を実用に供しており、そして今は価格をより抑えたものにしようと努力しているところだ。Muskは、3、4年のうちに価格は3万ドルないし4万ドルのラインまで落とすことが可能だと考えているそうだ。そのために車の小型化や設計面での効率化、そして一層の普及を実現した量産メリットなどを活用して行きたい考えだ。
尚、今ではMuskも電気自動車業界がもう少し広がって欲しいと考えているようだ。他に参入してくる企業があれば、それにより消費者にとってはさらに身近な存在となることができるわけだ。「テスラは収益をあげる企業に成長しました。この分野に参入し、ともに世界を広げていってくれるような企業に出てきて欲しいと考えているのです」とのことだ。
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(翻訳:Maeda, H)