ディズニーも出資する“MRお化け屋敷”運営のTYFFON、東急レクとタッグで国内出店加速へ

花火大会、海水浴、夏祭り——。夏といえば色々なイベントが多いシーズンだけど、僕個人としてはこの季節に無性に行きたくなるのがお化け屋敷だ。

今はそのお化け屋敷さえも“IT化”する時代。約1年前に紹介したTYFFON(ティフォン)が開発するMRホラーアトラクション「Magic-Reality: Corridor(コリドール)」は、まさにAR/VR/MR時代のお化け屋敷といえるだろう。

そんなコリドールなどが楽しめる施設「TYFFONIUM(ティフォニウム)」を2017年10月よりダイバーシティ東京内で展開しているTYFFON。同社は7月19日、東急レクリエーションと資本業務提携を締結し、国内でTYFFONIUMの出店を加速させることを明らかにした。

第1弾として、今秋に東急レクリエーション直営の「TYFFONIUM 渋谷店」のオープンを予定。同社によると今回の提携は「双方の強みを活かした店舗出店の取り組みが主幹となり、資本提携は提携を強固にするための補助的な位置付け」とのことで、調達額は数千万円規模になるという。

TYFFONについては前回の記事で詳しく紹介しているが、2011年11月の創業。2014年にディズニーのアクセラレーターの第1回プログラムに選ばれ、同社から出資を受けているほか、2017年にはインキュベイトファンドとアカツキが運営するファンドから100万ドルの資金調達を実施している。

現在同社が展開するTYFFONIUMで体験できるコリドールは、現実世界と仮想世界を融合させたMR(Mixed Reality)技術を活用するホラーアトラクション。周りから見れば体験者はカメラの付いたヘッドマウントディスプレイを装着して同じ所をぐるぐる回っているだけなのだけど、実際は巨大な化け物が襲ってきたり、ゾンビに遭遇したりといった恐怖体験をしているわけだ。

2017年12月からは独自の床振動システムを追加。僕もこの機能が追加された後に体験してみたのだけど、絶妙なタイミングで急に床が揺れるので何度もヒヤッとしたことを覚えている。

4月には新アトラクション「Magic-Reality: FLUCTUS(フラクタス)」を公開。こちらは最大5名で楽しめる、船上を舞台とした異世界ファンタジーとのこと。ホラー系が苦手だけどMRアトラクションを体験してみたいという人には良さそうだ。

TYFFONによるとTYFFONIUMの来場者数が認知度の拡大とともに右肩上がりで伸長。累計の来場者数は1万人を突破し、店舗単体での収益化を実現するに至っているという。

今回の提携は冒頭でも触れた通り「東急レクリエーションが持つエンターテインメント空間の運営力と、弊社が持つ次世代VRエンターテインメントコンテンツの創造力を掛け合わせることで、TYFFONIUMをより魅力的かつ身近なものにしていく」(TYFFON担当者)のが狙い。

今後は渋谷店のオープンを皮切りに、国内外で新店舗の展開を計画しているほか、ザッパラスと協同開発をしている「タロットVR:ボヤージュ・オブ・レヴリ 〜幻想の旅〜」(VR占いコンテンツ)など新コンテンツも順次リリースしていく予定だ。

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TechCrunch Japan

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