ディナーのみだったSprigもランチ配送に参入。サンフランシスコ・ランチ配送戦争の勃発か?!

ランチ配送サービスを行っているSpoonRocketに、競合サービスが登場してくることとなりそうだ。現在は夕食のみのデリバリーを行っているSprigがマーケットに参入してくるようなのだ。この話をしてくれた人によると、現在Sprigは日々1000食の配送を行っているとのこと。2週間前にシリーズAにて1000万ドルを調達し、消費者の胃袋をターゲットとしたサービスを直ちに拡大していく戦略のようだ。

この情報を受けて、SprigのCEO兼共同ファウンダーのGagan Biyaniに電話をかけてみた。Biyaniもランチデリバリーへの参入を認め、現在は配送に関わる詳細を詰めているところだとのことだった。ほとんどの準備は整っているが、実際に動き出すぎりぎりまで、詳細を詰めていくことにしているとのこと。

実のところ、こうした食事配送を行う各種サービスには、かなり興味を持っている。内容も面白さもUberやLyftを思い起こさせる。

両者ともにオーダーは簡単だ。SprigないしSpoonRocketのアプリケーションを起動して、表示される料理からオーダーするものを選ぶ。

SpoonRocketの方は8ドル(プラス税)で、サンフランシスコおよびイーストベイエリアに配送してくれる。配送にかかる時間は10分ほどだ。価格は安く届けるのにかかる時間も短いが、料理はときに固かったり、ぱさついている感じがすることもある。

Sprigの方は(現在提供している夕食の話だが)料理の価格が10ドルで、配送費が2ドルとなっている。サンフランシスコのほぼ全域を対象地域としており、平均18分でオーダーした料理が届く(もちろんもっと長くかかることもある)。食事のクオリティはなかなかのもので、ボリュームもたっぷりだ。

SpoonRocketでの配送時間について、これまでの最高記録はなんと3分だ。自分でピーナツバター付きの食パンを用意するよりもはやいくらいの時間だ。レストランにいくよりもはるかに安上がりで、あっという間に空腹を満たしてくれるのは本当にすごいことだと思う。

時々、あまりにもお腹が空いてしまって、、ランチやディナーに出かけようにも、ともかく何かをお腹に入れなければ動き出すことすらできないことがある。こんなとき、SpoonRocketがとても役に立つ。しかしちょっと余裕があって、そしておいしいものが食べたいというときならSprigを使いたい。これからはランチタイムにもSprigが使えるようになる。

Sprigはこれまでにベータテストも完了し、参入準備もほぼ整っているらしい。ランチの提供時間は、月曜日から金曜日の11時から14時を予定しているそうだ。もちろん、まだ変更の可能性はある。ディナーについては現在月曜日から木曜日の17時30分から21時30分の間で提供しており、これに加える形でランチサービスを開始することになる。これまでのところ、サンフランシスコに8つの配送センターをかかえるまでになっており、1日に1000食をデリバリーしている。CraigslistSprigのサイトにて、ランチに対応するための人材を募集しているところだ。

今のところSprigとSpoonRocketの双方ともに、サービスとして完全に定着したという段階にはない。しかも提供地域がサンフランシスコ限定だ。Sprigは3月にGreylockの主導で1000万ドルを調達し、そしてSpoonRocketの方もFoundation CapitalおよびGeneral Catalystによる1000万ドルのラウンドを完了したところだ。双方ともに、ロジスティクス面の強化をはかり、そして顧客を拡大し、サービスを定着させたいと狙っているところだ。

今後はUberとLyft間で繰り広げられ、サンフランシスコにおけるサービス価格を押し下げることとなった価格競争のような状況になることも考えられる。激しい戦いの末、みんながお腹いっぱいで大満足というような話になればめでたしめでたしなのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H


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TechCrunch Japan

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