デジタル出版のSerial Boxが約5億円調達

連載小説の伝統を復活させたスタートアップのSerial Box(シリアルボックス)が、450万ドル(約5億円)のシード資金を調達した。

同社は米国時間2月28日、Marvelのキャラクターが活躍する物語の制作に関するパートナーシップを発表した際に資金調達について公表したが、そのラウンドについてさらに詳しい情報が明らかになった。このラウンドはBoat Rocker Mediaの主導によるもので、Forerunner Ventures、2929 Entertainmentの共同創設者のTodd Wagner、日本のビジネスインテリジェンスおよびメディア企業のユーザベースが参加している。

共同創設者兼CEOのMolly Barton氏は声明で、「この投資ラウンドには信頼できるパートナーを慎重に選択した。我が社がスマートフォン時代の読書を一新し、伝統的な書籍出版の最も良い要素を取り入れ、オーディオ、ポッドキャスト、ゲーム、テレビ業界の影響を受けて革新していることに、投資者は大きなチャンスを見出している」と述べている。

シリアルボックスは、ストーリーを分割し、週刊連載としてテキストフォーマットとオーディオフォーマットで配信している。ストーリーの最初の回は無料で、続きを楽しみたければ1話1.99ドルで購入するか、シーズンパスを申し込む。

読者やリスナーにストーリーの続きを待たせるというアイデアには違和感があるかもしれない。Netflixはできるだけ早くシーズン全話を見て熱狂したくなるように私たちを教育したのでは? でも「ゲーム・オブ・スローンズ」を毎週見た人は、長い物語の一部を待つことには今でも計り知れない喜びがあると知っているだろう。

裏を明かすと、同社はテレビ番組の制作モデルを真似ていて、制作総指揮者が各話のリーダーシップをとってストーリーを作っている。シリアルボックスのライターには、人気のヤングアダルト、SF、ファンタジー作家のGwenda Bond氏、Yoon Ha Lee氏、Max Gladstone氏、Becky Chambers氏などがいる。そして前述の通り、同社はこれからマイティ・ソーをはじめとするMarvelのキャラクターを活かした物語を出版する予定だ。

同社は今週、Androidアプリをローンチする予定だという。また今後数カ月のうちにさらなる製品のアップグレードとコンテンツのパートナーシップを計画している。

Image Credits: Serial Box

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TechCrunch Japan

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