デモ構築プラットフォームのDemostackが18.8億円の調達を発表

企業がソフトウェアのデモを簡単に作れるようにすることを目指す、アーリーステージスタートアップのDemostack(デモスタック)が、米国時間3月9日、1730万ドル(約18億8000万円)の資金調達を発表した。同時にステルス状態からの脱却も発表された。

実際にはこの調達の内容は、Bessemer Venture Partnersが主導しGTM Fundと複数の個人投資家が参加した1330万ドル(約14億5000万円)のシリーズAラウンドと、Amiti Venturesが主導しOperator Collective、Cerca Partners、その他多くの個人投資家が参加して昨年12月に行われた400万ドル(約4億3000万円)のシードラウンドによる2つのラウンドだ。Demostackによれば、シードラウンドに参加した全投資家がAラウンドにも参加したという。

現在あらゆるタイプのソフトウェア企業が、実際の顧客情報を使うことなく、合理的かつリアルな方法で、すべての機能を示すことのできる、高品質なデモを作成する課題に直面している。前職でこの問題を経験した共同創業者でCEOのJonathan Friedman(ジョナサン・フリードマン)氏は、それを何とかしたいと考えていた。

「私たちが開発しているのは、パーフェクトなデモ環境です。つまり、営業やマーケティング担当者が自由にできるものという意味です[…]エンジニアが介入する必要がなく、デフォルトで見込み客ごとにカスタマイズされるようなものです」とフリードマン氏は説明する。

彼は、デモが上手く行かないのではないかとか、想定外のデータをうっかり見せてしまうのではないかといった不安を、この製品が取り除くのだという。「デモに対して感じる不安は深刻です。PII(個人を特定できる情報)を気にしなければならないので、本番環境の中にログインして入ってもらい、そこで何かを作るという手段は受け入れることができませんでした」と彼はいう。

フリードマン氏はその状況を変えるためにDemostackを創業した。彼らは、環境の録画から始まる完全なデモ構築ツールを提供しているので、それはまるで実際の製品のようにみえる。また特定の見込み客向けにデモを作成する際に、顧客名のような変数を使ってCRMツールから情報を引き出し、自動的にカスタマイズを行うことができる。

このソリューションが、リード投資家Bessemer Venture PartnersのパートナーであるAdam Fisher(アダム・フィッシャー)氏の目に留まった。彼は声明の中で「Demostackは、あらゆるソフトウェアビジネスに強力な競争上の優位性を与え、昔ながらの気まぐれなデモを排除して、見込み客のエンゲージメントを向上させます」と語っている。

Demostackは、すでに20人の従業員を抱えており、今年中にはその数を3倍にする予定だ。フィッシャー氏は、同社の初期従業員はすでに多様な構成となっていて、それが重要な要素だと捉えているという。

フリードマン氏はいう「私たちが早い段階からそのことに注意を払っている主な理由は、多様性のある企業というのはおまけとして目指すものではないからです、『ああ、そうしておくと世間で評判がいいからやっておこう』という感じではありません。色々な立場のひとが、どのように現実を見ているのかを理解することはできません。ひとは皆、現実の違う断片を見ているのです。それを押さえておくことができなければ、成功する会社を作ることはできません」。

同社は昨年9月にローンチし、この2月にはその早期版をリリースした。本日(米国時間3月9日)Demostack社は会社の内容を公開したが、完全な製品の配布が始まるのは今年の中頃の予定だ。

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画像クレジット:gilaxia / Getty Images
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(文:Ron Miller、翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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