ビジネスインテリジェンスをオンラインで地図上に落として理解に導くサービスCartoDBは、地図を使うコミュニケーションを誰もが容易にできることを、目指している。今日同社が発表した新しい機能、One-Click Mappingは、ユーザがデータをアップロードすると、その情報を視覚化して見せる地図を、自動的に作ってくれる。〔上図: サンフランシスコ北東部チャイナタウン周辺のブロック別企業数〕
元々CartoDBは、地図作成者やデータサイエンティストのためのソフトウェアを提供していたから、統計学と地理空間的なデータには強い。またユーザの方も、地図化すべきデータを見極めることと、そのデータを視覚化するためのパラメータをはっきりさせることが重要だ。
でも今度の新しい機能では、誰でもデータをアップロードして、どんな地図にするかをサンプルから選び、何を視覚化すべきかをワンクリックで指定できる。
同社は2011年に、生物の多様性とその保護を研究している二人のスペイン人研究家がローンチした。二人は、自分たちの研究結果を多くの人に理解してもらうための、ツールを求めていた。その後いろんな分野で利用されたCartoDBは、これまで12万名のユーザが使用し、40万あまりの地図が作られた。中には、ビヨンセの最新アルバムに対する世界中のリアルタイムの反応とか、ネパール地震の被害地図などもある。
CartoDBのCSO(Chief Science Officer) Andrew Hillはこう言う: “何かを理解してもらうために地図がとても有効であることが、心に浮かばない人が圧倒的に多いね。でも情報を地理空間的なデータに結びつけることができたら、急にその情報のリアルな意味が伝わってきたりするんだ”。
ユーザがデータをアップロードしたら、CartoDBはそれらを分解して地理空間的なデータを取り出す。次にそのほかのデータも分析し、どの地図フォーマットを使うかをユーザに選ばせる。フォーマットは、ユーザが部分的に変えることもできる。
データを地図化することは、大量のデータの意味を理解するために、とくに企業にとって便利だ。たとえば大手の銀行はCartoDBを使って、クレジットカードの使用を都市の地図に落とし、その都市の地区別の消費パターンを理解する。たとえばスペインの銀行BBVAのために作ったこの地図では、今年バルセロナで行われたMobile World Congressの経済的インパクトを視覚化している。
昨年ミズーリ州ファーガソンで起きた銃撃事件では、TwitterがCartoDBを使って、全世界のその事件の報道のされ方、報道の広がる様子を地図化した(下図)。
データをCartoDBの自動地図化プラットホームに放り込む企業が今後どんどん増えれば、地図化すべきデータ(そして無視すべきデータ)を判断するアルゴリズムの精度も、どんどん向上するだろう。
“最初は、地図を作るというサービスだったけど、今では一歩踏み込んで、ユーザに地図化できるデータについて教えている。今では企業が、自分では分析し理解する余裕がなかったデータをうちにアップロードして、それらを地図化して従来よりも早めに理解している”。
CartoDBは昨年の9月にシリーズAで800万ドルを調達した。ラウンドのリーダーはベルリンのEarlybird Venture Capitalだった。同社はすでに利益が出ており、ユーザ数も売上も最近の1年で300%増加した。