トヨタ、自動運転のスタートアップ、Parallel Domainに出資――安全にテストできるシミュレーターを提供

 

Parallel Domainは自動運転ソフト開発のためのシミュレーションを提供するスタートアップだ。自動車メーカーはシステムを利用してVR空間で自動運転車を走らせ、挙動を確認することができる。今回Costanoa Venturesがリードし、Ubiquity Venturesなどが参加した今ラウンドでParallel Domainは265万ドルのシード資金を得た。このラウンドで新たに獲得した投資家にToyota AI Venturesが含まれていることが分かった。

Toyota AI Venturesnの創立マネージャー、ディレクターのJim Adlerは「Parallel Domainはテクノロジーが優秀であるだけでなく、チームにも強い印象を受けた。彼らは自動運転車が路上で安全に走行するために必要な課題について明確なビジョンを持っており、同時にそれらを解決する能力がある」」と書いている

Parallel Domainのプラットフォームは現実の地図情報を用いて、その上にアルゴリズムで他車を含むさまざまな交通状況を設定する。ユーザーはシミュレーションによって自動運転車がどのように走行するか、また自動運転ソフトウェアがどのように学習するかを知ることができるという。シミュレーションであるため重大なミスがあっても全く安全だ。VR世界の要素はすべてプログラム可能であり、レーン数、カーブの曲率、路面状態、地形などを必要に応じてカスタマイズできる。

Parallel Domainのビジネスモデルはこのプラットフォームを自動車メーカーに販売するというものだ。メーカーは3Dで仮想現実を構成し、そこで自社の自動運転車をテストすることができる。今月、スタートアップのファウンダー、Kevin McNamaraはLinkedInに次のように投稿している。.

自動運転車のテスト走行距離は毎年何百万キロにもなっている。自動運転車の安全性を高めるのは緊急の課題だ。シミュレーションはソフトウェアを改良すると同時にテスト運転に伴う危険性を減少させるために非常に有効な手段だ。自動車メーカーは資金や人員などのリソースを自動運転車のエンジニアリングそのものに集中できる。今日〔シード・ラウンド〕の発表は、この目標の実現に向けてわれわれがさらに一歩を進めることができたことを意味する。

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滑川海彦@Facebook Google+

投稿者:

TechCrunch Japan

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