ドナルド・トランプ大統領は自動運転車に懐疑的だ。これは自身の政権、なかでも米国運輸省とは対照的な立場である。
Axiosの最新スクープによると、トランプ大統領は自動運転車革命は「クレイジー」と考えていると非公式に話した。トランプ氏の考えは必ずしも驚きではない。飛行機が複雑になりすぎているという最近のツイートは、彼のラッダイト(技術革新反対者)傾向を示している。
興味深いのは大統領と運輸省の視点の違いだ。
つい先週テキサス州オースチンで行われたSXSWで、運輸省のイレーン・チャオ長官は非伝統的新興輸送技術委員会(NETT)の設立を発表した。新しいテクノロジーの導入を阻害する可能性のある法律や規制の隙間を埋めることを目的とした内部組織で、トンネル、ハイパーループ、自動運転車などによるイノベーションを対象としている。
「新しい技術は複数の輸送手段にまたがるものが増えてきているため、複合的に応用可能な革新技術を見渡す内部委員会を作るよう指示した」とチャオ委員長が声明文で語った。
一方、その他の自動運転車関連法案も、さまざまな検討段階にある。
米国時間3月15日、運輸省の幹線道路交通安全局(NHTSA)は、NuroaおよびGenral Motorsが提出した自動運転車に関する嘆願書が公開レビュー/コメントのための連邦広報掲載まで進んだことを発表した。
平行する両視点はまだ衝突していない。自動運転技術に対するトランプの個人的見解が運輸省の政策に影響を与えているという証拠はない。もちろん与えていないという意味でもない。
自動運転業界は不測の事態に備えて、大衆(そしてトランプ)を徐々に啓蒙しようとしている。 Partners for Automated Vehicle Education (PAVE、自動運転車啓蒙組織)はその一つだ。PAVEは、自動運転車と利害関係にある自動車メーカーおよびIT企業らが資金を出し合って1月に設立された。Audi、Aurora、Cruise、GM、Mobileye、Nvidia、トヨタ、Waymo、Zooxらが参加して、自動運転車の最新技術について情報を広めている。彼らのメッセージは次のとおり。「このテクノロジーは輸送手段を変革し、より安全、より持続可能にすることができる」。
Google傘下のWaymo はAAAとの提携によって、自動運転技術およびその安全性や人々の移動を手助けする可能性を広く伝えていく啓蒙活動も行っている。同プロジェクトは最近、自動運転車開発のメッカとして知られているアリゾナ州およびカリフォルニア州など7つの市場を管轄するAAAの地域組織(AAA NCNU)と提携したことを発表した。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )