ドイツのBrillen.deがTCVから4900万ドル調達、今後は海外展開に注力

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Brillen.deは、家族経営の企業としてドイツで誕生後、地元に根づいた独立系眼鏡店のネットワークを活用し、オリジナル眼鏡のオンラインビジネスを立ち上げた。そして、初めてとなるベンチャーキャピタルからの資金調達で4500万ユーロ(4900万ドル)の獲得に成功した。資金は有名な投資会社、Technology Crossover Ventures(Facebook、Spotify、LinkedIn、WorldRemit、Zillowなどへの投資実績有)から単独で提供され、Brillen.de共同設立者のDaniel Thung氏によると、調達資金は、今後同社のモデルをヨーロッパ内そしてヨーロッパ圏外の外国市場へと拡大していくために利用される予定だ。

Brillen.deは、自社のバリュエーションを公表していないが、過去1年間に、ドイツ・オーストリア・イギリス・スペインで運営している既存ビジネスから「数1000万」ユーロの売上を記録したと述べている。しかし、SuperVista(Brillen.deの親会社のブランド)は、今年の売上が数億ユーロを超えると予測しており、さらにTCVのプリンシパルであるJohn Doran氏によれば、「Brillen.deは初日からずっと黒字を記録している」とのこと。

眼鏡の製造・販売方法に関しては、過去10年の間に様々な破壊的イノベーションが起きてきた。眼鏡ブランドのWarby Parkerは、オンライン企業が既存の業界に革新をもたらすために、垂直統合モデルのコンセプトが利用できるということを証明した典型例である。そして他にも、他社がつくったコンタクトレンズや、眼鏡、アイケアサービスをオンラインで販売している企業がたくさん存在し、街中の個人経営の眼鏡店は、巨大チェーン店に取って代わられようとしている。

さらには、眼鏡をつくる際にお店を訪れなくていいよう検眼の仕組みを直接顧客に届けようという動きや、そもそもの補正レンズの概念自体を捨てようとする動きも出てきている。

Brillen.deはこのような文脈においてはユニークな存在だ。同社は2012年に、視覚のスペシャリストで構成された一族(視覚関連の特許を複数持ち、Brillen.deの取締役を勤める眼科医を含む)出身の眼鏡技師たちによって設立された。Brillen.deの目的は眼鏡店を廃業に追い込むことではなく、むしろ個人の眼鏡店は、同社が製造販売している眼鏡のセレクトやフィッティングを行う上で欠かすことのできない要素である。

そして検眼医にとってもBrillen.deとの協業が、競争力をつけ、消費者との関係を保つために不可欠なものとなった。

「一般的に、個人の検眼医がひとつの店舗で獲得できる顧客数は1日で2〜3人程度なんです。私たちはもっと多くの顧客を彼らの店舗に誘導し、平均して1日あたりの顧客数を倍増させることができています。彼らとはwin-winの関係にあるため、検眼医の方々は私たちに対してかなり忠誠心を持ってくれています」」とThung氏は語った。眼鏡の自社開発の他、Brillen.deはさらに請求管理、顧客管理サービスを買い手に提供している。

一族に対する忠誠の話は別にして、Brillen.deが実際の店舗との協業にこだわっている主な理由は、販売しているレンズの種類にある。Brillen.deは主に累進レンズを扱っているのだ。累進レンズとは、最新の境目のない遠近両用レンズで、視線の角度によって度が変化するようになっている。累進レンズのための検眼や調整はバーチャルでは行うことができないため、物理的に眼鏡店を訪れる必要がでてくるのだ。現在Brillen.deと提携している眼鏡店の数は700軒に及ぶ。

個人の請負業者や専門家向けに新たな顧客を発掘するためのプラットフォームを運営するというアイディアは、HandyやThumbtackのような清掃・ハウスケアサービスから、ZocDocのような医者検索サービス、Uberのような移動サービスまで、他のマーケットプレースビジネスでもたくさんの類似例がある。しかし、このコンセプトはまだBrillen.deのいるセグメントでは大々的に利用されていない。

「私たちには直接の競合はいません。というのも、私たちのように個人の眼鏡店との提携ネットワークを持つ企業がヨーロッパにはないんです」とThung氏は述べた。「競争相手としては、主にFielmannやApolloなど、街の大通りにあるような眼鏡チェーンが挙げられます」

Credit Suisseによれば、2017年までにヨーロッパの補正レンズ市場は年間約300億ユーロに、世界全体で見ると年間約900億ドルに達すると予測されている。しかし、製造過程の複雑さから累進レンズがその総額の3分の2を占めるとTCVのDoran氏は教えてくれた。Brillen.deは、同社の累進レンズを使った眼鏡は他社のものより40〜50%程安いと言う。

コンセプトは上手く出来ており、TCVから調達した資金の一部は、他社が同じフィールドに進出してくる前に支配権を握るために使われるようだ。「Warby Parkerは、私たちのようなビジネスモデルに転換しようとしています」とDoran氏は言う。「彼らも累進レンズが儲かることに気づきましたが、同時にそのオンライン販売の難しさにも気づいたようです。だから実店舗をオープンしだしたんです」

今回の支援の一部として、Doran氏とTCVのベンチャーパートナーであるSimon Breakwell氏の二人がBrillen.deの取締役に就任した。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

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TechCrunch Japan

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