ドライバーシェアリングで物流業界の効率化を目指すラクスルの「ハコベルコネクト」

印刷・広告のシェアリングプラットフォーム「ラクスル」や物流のシェアリングプラットフォーム「ハコベル」を提供するラクスルは1月24日、一般貨物を取り扱う運送会社向けに物流業界全体を効率化するための新サービス「ハコベルコネクト」の提供を開始すると発表した。

ハコベルコネクトのローンチは2月12日。2015年12月にローンチしたハコベルは名称を改め「ハコベルマッチング」として提供される。

新サービスのハコベルコネクトは一般貨物事業者及び大手物流荷主向け求配車サービス。ハコベルマッチングは軽トラックやカーゴなどを扱う軽貨物事業者と荷主のマッチングに特化したサービスという位置付けとなる。

ハコベルコネクトは“物流業界最大の課題”であるというドライバー不足、そしてアナログなコミュニケーションによる低生産性を解決するために開発された。

泉雄介氏

ラクスルの取締役CTOでハコベル事業本部長を務める泉雄介氏は当日開催された記者会見で「ドライバー不足は日本の物流の最大の課題の一つだ」と話し「次の10年でおよそ24万人の不足が出ると言われている」と説明。

泉氏氏いわく、ラクスルがハコベルコネクトを通じて解決を目指す“ドライバー不足”の原因は大きく分けて二つある。まず、ドライバーの“なり手”不足。同氏は報酬や労働環境を改善していくことが必要だと述べた。低い報酬の原因は業界の多重下請構造による中抜き。二つ目の原因は低い生産性。膨大な事務作業があるのでドライバーが有効活用ができていないのだという。

ラクスルの情報によると、多くの一般貨物事業者は案件を受注したとしても自社のトラックだけでは配車しきれず、案件の7割以上を他の運送会社に求車している会社も存在する。そのため、運送会社は互いに配車協力をしなければ運送業務が成立しないのが実情だという。

だが各運送会社が持つシステムは自社の配車情報のみを管理する極めてクローズドなもの。加えて協力運送会社との配車のやり取りは紙や電話、FAXなどで行われている。

結果、一つの配送案件の情報が複数の運送会社でバラバラに管理されることとなり情報の断絶が発生し、物流業界の生産性の低さにつながってしまっている。

そこでラクスルが生み出したのが、各運送会社が保有する案件情報や運送業務に関する情報をオンライン上で可視化し、運送業務に関係する複数の企業が情報をスムーズに連携できる仕組みであるハコベルコネクトだ。

アナログな業務をデジタル化し、情報を複数の運送会社やドライバーと共有することで、コミュニケーションを効率化、また、伝達ミスを軽減する。

具体的には、取引リクエストや配車・運行管理、免許証や車検証などの証書のクラウド管理などが同プラットフォーム上でできる。

また、iOSとAndroidの両方に対応予定のドライバーアプリを使えば、ドライバーは配車情報をリアルタイムに確認し、確認ミスや待機時間を削減することができる。同アプリでは車両の動態管理や配送ステータスの共有ができ、無駄な電話連絡を減らすことも可能だ。

泉氏は「ハコベルコネクトが目指すのは、関係者間あるいは企業間を越えて情報を共有しスムーズにし、情報摩擦を限りなく減らすことで効率を上げていく仕組みだ」と話していた。

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