IEEE Spectrumによれば、クオドコプターの操縦者に必須のクールなシステムが開発された。回転式のメカニカル・センサーで指や身体の一部が触れると直ちににローターの回転をストップさせる。これによりドローンの操縦者自身や友達、特に小さい子供が負傷するのを防止できるという。
ドローンのモーターがますます強力になる中、オーストラリアのブリスベーンのクイーンズランド大学の研究者チームは重大事故を防止するセーフティー・ローターを開発した。このシステムははローターの外周をメカニカルセンサーが回転し、指(ビデオではウィンナーソーセージ)が接触すると0.077秒以内にローターをストップさせる。このセンサーの回転はローターより遅いが、常時異物の接近を見張っている。IEEE Spaectrumの記事はこう解説している。
接触の探知があってから[セーフティー・ローダーにブレーキがかかり始まるまで]のレイテンシーは0.0118秒と測定された。ローターが完全に停止するまでにはさらに0.0474秒を必要とした。回転エネルギー(角速度から推定)の90%は0.0216秒以内に失われた。99%が失われるには0.032秒を必要とした。.
実験室におけるセーフティー・ローターの機能テストには調理済み肉製品を「指」として用い、センサー・フープに接触させた。またこの指をセンサー・フープを装着していないローターにも接触させて結果を比較した。ローターは通常のホバリング状態で回転(1100rads/sec)しており…「指」とローターのもようは毎秒480コマでビデオ撮影した。セーフティー・システムの場合、ローターは0.077秒で停止し、「指」にはセンサー・フープが当たった際の軽い跡がついただけだった。「指」がローター本体に接触したときにはローターは完全に停止していた。これに対してセンサーを装備しないオープン状態のローターの場合、「指」は完全に破壊された。
セーフティー・ローターのキットは重量が22グラム、価格が20ドルということなのでさほど高価でも重くもない。取り付けも難しくないという。血の通った本物の指を高速回転するローターから守るためには非常に役立つシステムのようだ。
〔日本版〕Spectrumは米国電気電子学会(IEEE=アイ・トリプル・イー)が発行する専門誌。記事によればチームはこのシステムを既存のクアドコプターに後付けで装備した。チューニングの必要はあるがさほど困難な作業ではないという。研究者を代表してPaul Poundsは「こうしたシステムの商用化にあたって最大の障害は大手ドローン・メーカーがドローンの安全性を高めるためのコスト増を受け入れる用意ができていないことだろう」と述べている。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)