ドローンの交通警官を目指すAirspace Linkが4.4億円調達

米国中の都市にドローンが増殖する中、行政当局はいずれ空中に巻き起こるであろう交通渋滞に対応すべく方法を探っている。

AirmapKittyHawkといった企業は、何千万ドルもの資金を調達して、都市の心地いい空の渋滞を整理するための技術を開発しているが、そこに新たなライバルが登場した。ミシガン州デトロイト拠点のスタートアップであるAirspace Linkは、多数の投資家から400万ドルの資金を集めて自社のサービスを拡大しようとしている。

Airspace Linkは今回の調達ラウンドの前に、連邦航空局(FAA)から、低高度認可および通知機能(LAANC)の認可を受けたことをCEOのMichael Healander「マイケル・ヘランダー)氏が語った。

ヘランダー氏によると、Airspace Linkが他社と差別化しているのは、地方自治体で使用されている地図ツールと統合することによって、地上のリスク情報を提供していることだという。

「我々は地上のリスクに基づいて経路を生成しており、どこを飛んでいいかを知らせるためにドローン・コミュニティーに情報提供している」とヘランダー氏は言う。

都市の地形情報の知識は、Airspace Linkと地理情報システム会社のESRIとの密接な共同作業から得たものだ。ESRIは国、州、地方自治体に長年地理情報やサービスを提供している。

「先月だけで、どんな規制が必要になるかを理解した。今後2年のうちに、あらゆるドローンが我々のプラットフォーム上でリアルタイムに追跡されるようになる」とヘランダー氏は語る。そして「現在は、飛行計画の承認のみ行っている」と続ける。

ドローン操縦者の数が増えるにつれ、無人飛行体が悪の手に渡ったときの市民へのリスクは増大する。

駐車場、スポーツイベント、コンサートをはじめあらゆる公共の場が、ドローンを使った攻撃の標的になりうる。

「ドローンはますます強力で賢くなっている」とEUセキュリティー委員長のJulian King(ジュリアン・キング)氏が昨年夏の声明で警告した。「これは正当な用途だけでなく、敵対行為のためにも魅力が増していることを意味している」。

すでに米国人口の約半数が管理された空域下に居住しており、重量が2分の1ポンド(227g)以上のドローンは、飛行計画の承認を受ける必要があるとヘランダー氏は説明した。

「我々は人口データを構築し、非常時や人口密度の高い地域に勧告を与えるためのツールを州および地方自治体に提供している」と同氏。「その結果、我々のプラットフォームを経由してドローン業界に勧告が伝えられることになる」と続けた。

Airspace Linkは、2019年9月に調達前評価額600万ドルで100万ドルのプレシードラウンドを完了した。現在の会社価値は公表されていないが、同社のこれまでの実績は、Indicator Venturesを筆頭に、2048 Ventures、Ludlow Ventures、Matchstick Ventures、Detroit Venture Partners、Invest Detroitらの投資家の注目を得るには十分だった。

ヘランダー氏は、Airspace Linkを起業する前に室内GPS追跡のスタートアップ、GeoMetriを設立し、後にAcuity Brandsに売却している。

「私は生涯に渡るESRIのパートナーだ」とヘランダー氏は語る。「地理空間業界で4社か5社に勤めたが常にESRIと仕事をしてきた」。

同社のサービスは4つの主要な部分からなる。AirRegistryは、人々がドローンによる配達の受取りをオプトイン/オプトアウトできるサービス。AirInspectは、都市や州がドローン操縦者を認可するためのサービス。AirNetmは、FAAと提携してドローン向けに承認された空路を作成する。AirLinkは、ドローン操縦者と地方自治体をつないでドローン登録の料金を徴収するためのAPIだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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