将来、ドローンはピザを配達するようになるだろう。今日、サンフランシスコで開催されたTechCrunch Disruptのステージで最も旨味のある指摘だ。ステージ上では、TechCrunchライターのFrederic LardinoisがドローンメーカーであるCyPhy WorksのファウンダーHelen Greinerを迎え、インタビューを行った。
確かにドローンが将来ピザやその他ありとあらゆる物を配達するようになるというのは、目新しいコンセプトではない。Amazonを始め、無数の企業がこぞって、自動配達ドローンをテストしているところだ。GreinerはMITを卒業し、立ち上げたロボット工学のパイオニア企業のiRobotで18年を過ごした人物で、そのような未来が間近に迫っていると話す。
「技術的な面から言えば、実現できます。しかし、法規制や人々の習慣を変える必要があります」と彼女は言う。「FAA(連邦航空局)が現時点でドローンの飛行を許可しないのは正しいことです。更に実験を繰り返すことがコミュニティーのためになるでしょう。FAAは安全であると証明できるなら、ルールの変更もありうると示しています」。
Greinerはロボットによる配送の未来の形がどうなるかに関して興味深い洞察を持つ。CyPhy Worksの最新型ドローンは、市場に溢れる(ドローン市場はとても混み合っていて、競争が激しい)競合他社のドローンとは全く異なる設計だ。
CyPhy Worksは法人やビジネス向けのドローン製作に特化しているが、KickstarterでプレローンチしたLVL1はコンシューマー向けのドローンで、来年の出荷を予定している。この機体には、大抵のドローンに搭載されているジンバルがない。見た目が良いだけでなく、機体が滑らかに飛行できるようになるとGreinerは言う。そうすることで、動画や写真の撮影がスムーズで簡単になり、これまで頻繁にあった機体のダメージも防ぐことができるそうだ。
「新しいデザインで、機体が頑丈で持ち運びやすくなりました。画像の電子補正は必要ですが、撮影しやすくすることがとても重要だと考えています。基本的にドローンは、カメラを飛ばしていると言えるからです。また修理の際、いつもジンバルのシステムが悪くなります。ドローンは、時間をかけて徐々にこのようなデザインになると思います」と彼女は言う。
CyPhy Worksは最近、Draper Nexusから資金を調達した。調達資金は350万ドルで、その前のラウンドでは、750万ドルを調達している。それなのに、何故Kickstarterを利用して販売するのだろうか?
Greinerは、それは資金の理由からではなく、コミュニティーとフィードバックのためだと言う。
「Kickstarterにしたのは、アドバイスをくれる人のコミュニティーを構築し、彼らがどのようにドローンを使いたいかを知るためです。これには大変な価値があります。これまで機体を作って、特定のグループと相談して、市場に投入し、後は上手くいくことを祈ることしかできませんでした。今時の方法は、人々が興味があるかどうかを知るために出してみて、他にどのようなことに興味があるかを聞くことです」と彼女は説明する。
ピザや他の物を配達するだけでなく、CyPhy Worksはドローンを公共サービスにも広めたい考えだ。
「私たちはMotorolaの公安部門と戦略的に提携しています。彼らは、アメリカの公安設備のほとんどを提供しています。その関係を活かし、警察や消防隊にもドローンが広まるようにしたいと考えています。アメリカだけでなく世界でも広めたいと思います」とGreinerは話す。
ドローンは夕食を持ってきてくれるだけの物じゃないようだ。
機械のデザインはシンプルな方が圧倒的に良い。複雑さは敵だ。
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