ニューバランスが新しいスニーカーに3Dプリント部品を採用

3Dプリントがプロトタイピングから製品製造への移行を行う過程で、スニーカーというのは極めて効果的な手段だった。特にCarbon(カーボン)は、アディダスとの提携で、少量のFuturecraft 4Dシューズのプリントアウトを始め、ここ数年でかなり規模を拡大して成功を収めている。

そして2017年に発表されたニューバランスとFormlabs(フォームラブ)のコラボが、ついに2種類の新しいスニーカーを生み出した。しかもアディダスのものよりもかなり安価に。今回登場した靴は、3Dプリンティングの提唱者たちによってずっと支持されてきた、極端なカスタマイズの約束を果たしているわけではない。しかしそれらは、3Dプリント技術のユニークな特性を、リーズナブルな価格で大衆的なマーケットに供給しようとするものだ。

Image of New Balance team with Formlabs 3D printers

今回のコラボレーションの中心はTripleCellシリーズで、堅固なクッションサポートを備えながら、標準的な射出成形よりもやや(10%)軽いかかとを作ることができた。このかかと部分はFormlabs独自のRebound Resin(弾性レジン)を使ったラティス(格子)構造でプリントされている。同社によれば、これは従来の熱可塑性樹脂と同じくらい耐久性があるということだ。

FormlabsのCPOであるデビッド・ラカトス(David Lakatos)氏は技術について以下のように語っている

3Dプリントは企業が製造にアプローチする際の手段を変革しています。今回の発表で、ニューバランス社は(消費者の近くで製造を行う)ローカライズ製造の先駆けとなります。プロトタイピングと製品製造の両方で、金型への依存を排除し、直接プリントすることで、チームの開発と生産のサイクルが数ヶ月から数時間にシフトします。私たちはデザインサイクルが消費者の気まぐれで回っていく世界に向かっています。その最前線にニューバランス社と共に立つことができることに興奮しています。

990 Sportはすでに、ニューバランスのサイトで185ドルで入手可能だ。スニーカーの前方にTripleCellを使用するFuel Cell Echoは、9月に175ドルで発売される。990は米国製で、エコーも米国内で組み立てられる。

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(翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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