[筆者: Eliza Brooke]
ハリケーンサンディ(Hurricane Sandy)で停電を経験したニューヨーク市が、今日から、5つの行政区すべての公園や公共的スペースに設けた計25基の、ソーラー充電ステーションの供用を開始する。
ニューヨーク市とAT&Tが共同で行うこのパイロット事業は、正式名をAT&T Street Chargeという。デザインは会社がDUMBO(ダンボ)にあるPensa、ソーラー技術はGoal Zero、そして資金はAT&Tが提供した。ステーションは移動式で、7月から9月にかけてあちこち移動する。そのあとは、どこかに落ち着くらしい。
Fort Greene ParkやBrooklyn Bridge ParkやRiverside Parkなどに、あまり行かない人には無縁かも、だけど、ソーラーで、公共施設で、無料は良いね。スマホにチャージ(充電)できるけどお金もチャージ(課金)するこれまでのステーションより、ずっといいわ。
Union Squareのは明日かららしいから、Riverside Parkへ行って取材してみようと思った。ニューヨークの善人たちは、これを何と思っているかな? めったにお目にかかれないUpper West Sideの大群衆を期待したけど、その期待は外れた。火曜日で曇りで午後2時半だから、無理もない。お天気の良い日曜日の午後で、近くのPier 1 Cafeが繁盛している日なら、ステーションはもっと多くの愛を集めていることだろう。
ジョギングの人や自転車の人、犬の散歩の人、単純にひまな人などがステーションに立ち寄っていく。立ち去る前に、そばに立ってる係の人に、“ちょっと見たかったのよ”、とか、“どんなのか見たくてね”などと言葉をかける。12.5フィートの金属柱、お尻の高さのところに充電器6基、奇妙なヘリコプターの回転翼のようなアームがてっぺんに3本ある。だから、たいていの人の好奇心をそそる。
いちばん熱狂的だったのは、16歳グループ。柱に突進して、“わぁぁぁ、ク〜〜〜ル”、と絶叫。携帯をここに忘れても大丈夫と思う?。と聞くと、5名全員が声を揃えて“ノー!”だ。
“きみたちニューヨークの子?”
“イエス”。
やっぱりね。男の子二人は、携帯を充電器に接続して、その後数分ほどその場でじっと待つのだった。
“立って待つの平気?”
“椅子を持ってくるべきだね”。
携帯は手放せない、家に忘れるなんてとんでもない、と言うある男性は、今度の停電のときは、これに長い列ができそうだな、と言った。
AT&Tの下請け会社から派遣された係員は、彼女が到着した午前11時からの4時間で20〜25名が携帯を充電した、と言った。私が見たのは、わずか3名だ。10代の子ども二人を含めて。
24歳の女性サイクリストShanaは、iPodを充電中、近くのカフェの椅子に寄りかかっていた。15フィートぐらい離れているけど、大丈夫?と聞くと、
“買ってからもう6年ぐらいになるから…”。
ハリケーンと停電を経験しているからか、多くの人にとって、この無料充電器は好評なようだ。でも、ニューヨークの人は、子どもですら、決して、自分の所有物から離れないのだ。公園の警備員も、厳しくこう言う:
“絶対に持ち物から目を離さないこと”。
充電ステーションは、6月の霧雨の中に立っていた。自分のそばに、じっと立っていてくれる人を待ちながら。
[画像: AT&T]
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))