今や、どんなものでも機械学習にやらせようとしている。しかも機械学習は、なんでもあっさりとやってのける。でも、そうでなかった仕事もある。それは、ニューラルネットワークを使って、塗料の色に気取った名前…“春の雨”、“港の霧”など…をつける、という試みだ。だって、そのニューラルネットワークが命名した“dorkwood”色や“stanky bean”色の塗料を使って、自分の家を塗装したい人なんか、いるわけないもんね?。〔訳注: どちらもワイセツな含意があるので日本語訳を控えます。〕
塗料の色の命名に機械学習を利用しようとして、今回失敗した研究者Janelle Shaneは、フルート奏者としてニューラルネットワークと“共演”することも、ときどきあるそうだ。
そのニューラルネットワークは、さまざまなRGBの値に対応する7700種の色の名前を教育訓練され、色と言葉とのあいだにある秘密の関係を会得した(はずだった)。
最初のうちは、まあまあだった。システムはどうやら幼稚な論理を編み出したようだが、色の名前として、実在する言葉を選んでいない:
上の3つめの例で”a”が抜けているのは、紫っぽい色調を表しているのだろうか? 三回登場する”Caae”は、共通する中間調の明度に対応しているのか? それはわれわれには分からないけど、ニューラルネットワークの中で立派な芸術的文法が生まれようとしているのかもしれない。
何度もデータを与えると、ニューラルネットワークはだんだんクリエイティブになり、独創的な色名を作り出すようになった。ホームセンターで売ってる塗料の、“greige”(生成り色)とか“royal purple”(王室紫)みたいな、平凡陳腐なやつは一つもない:
Dondarf? Burble Simp? Bank butt? Catbabel? … 独創的すぎる!
Bunflow? Rose Hork? Dope? …Turdly? … なんと思い切った名前!
StargoonやCaring Tan、Snowbonkなんかは、ぼくも本当に気に入ったけど、でも彼女のクリエティビティに、早産は禁物だったようだ。もっと気長に、教育訓練すべきだね。それまでは、Shaneの貴重な仕事をTumblrに再投稿してその回数を増やし、彼女への感謝のシルシにしよう。