ネスレが健康的な食材を宅配するスタートアップFreshlyを最大1570億円で買収

米国Nestlé(ネスレ)はFreshly(フレッシュリー)を15億ドル(約1570億円)で買収したと発表した(PR Newswire記事)。9億5000万ドル(約994億円)に将来の成長に応じて最大5億5000万ドル(約576億円)上乗せする。

2015年創業のFreshlyはニューヨーク拠点のスタートアップで、健康的な食材を週単位で宅配している。この食材は電子レンジやオーブンを使って数分で準備できるものだ。フレッシュで健康的というのが売りで、しかも調理に時間をかけずに済む。

どちらかといえば、家で過ごす時間が長く、自分で調理しようとしている人が多い現在、魅力的なサービスだ。Nestléの報道発表資料によると、Freshlyは現在、48州で1週間あたり100万食超を宅配していて、2020年の売上高は4億3000万ドル(約450億円)を予想している。

FreshlyはこれまでにHighland Capital Partners、White Star Capital、Insight Venture Partners、そしてNestléといった投資家から1億700万ドル(約112億円)を調達し、Nestléは2017年のシリーズCをリードした(未訳記事)。本日の発表では、先の投資によるNestléの持ち分は16%で、「新興マーケットの評価とテストのための戦略的な動き」と表現されている。

「消費者はこれまでになくeコマースを利用し、家で食事するようになっています」とNestlé USAの社長兼CEOであるSteve Presley(スティーブ・プレスリー)氏は声明で述べた。「パンデミックによってもたらされた革命ですが、長期的に続くものです。Freshlyは革命的で、急成長しているフードテックスタートアップであり、Freshlyを傘下に収めることでNestléは米国のフードマーケットにおける新たな現実への資本注入を加速させ、将来のためにいい位置につけることができます」。

顧客への案内の中で(Freshlyリリース)、Freshlyの共同創業者でCEOのMichael Wystrach(マイケル・ウィストラッチ)氏は、買収の結果、同氏のチームは毎週提供するメニューアイテムの数を3倍にする計画だと述べた。ただ、同氏はサービスはさほど大きく変わらないとも言及した。

あなたの食事、価格、そしてサブスクはこれまで通りだと保証します。Freshlyは便利で栄養価の高い、そして美味しい食事のソリューションを利用しやすくするというミッションを完遂すべく、引き続き独立して事業を展開します。Nestléの力を借りて、よりフレッシュで、迅速な配達を新たな顧客に届けます。当社は引き続き厳しい基準を維持し、プロダクトに完全に責任を持ちます。当社の食事は変わることなく、成分を変えたり、NestléのプロダクトをFreshlyの食事に組み合わせたりすることは考えていません。しかし将来の可能性についてとても楽しみにしています。

カテゴリー:フードテック
タグ:NestléFreshly買収

画像クレジット:Freshly

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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