編集部注:Nic Denholmは、SMSマーケティング・プラットフォーム、FireTextのコンテンツ・コンサルタント。
インターネットの中立性は、昨年のIT業界で最大の話題の一つだった。ジョン・オリバーはこれを茶化して、FCCのコメント欄を二階層インターネットへの反対意見で埋め尽くすよう嘆願した(その結果サイトはクラッシュした)。
これまでのところ議論の焦点は、ISP[インターネットプロバイダー]が、配信するデータの種類によって扱いに差をつけることが許されるかどうかだ。ネット階層化への主な反対者は、Netflix、YouTubeといった、大量のリッチコンテンツをユーザーに配信している会社で、料金を値上げしたり(前者の場合)、広告を増やしたり(後者の場合)したくない。
当然のことながら視聴者は彼らの側につき、ブロードバンド業者や一部の自由主義政治家らを相手取って、この〈必然的〉負けいくさを戦っている。「必然的」と言ったのは、民衆の大多数が反対してもなお、ISPはすべてのトラフィックを平等に扱わなくてはならないとする以前の裁定を、上級裁判所がくつがえすには不足だからだ。
こうした注目にもかかわらず、アメリカ人の大部分は「ネット中立性」が何を意味するのか皆目見当がついていない。最近のPewの調査によると、アメリカ人の40%は、その概念を理解していないか、全く聞いたこともないという。
「中立性」と「SMS」の関係となると、理解している人はいっそう少ない。マサチューセッツ州ケンブリッジで企業向けテキストメッセージサービを提供するHeyWire Businessは、その関係を思いがけない形で知ることとなった。昨年の4月3日まで、HeyWireは企業がフリーダイアルでテキストメッセージを受け取るサービスを楽しく提供していた。そしてそのすべてが止まった。エラーメッセージも、警告もなく ― ただ何千というテキストが宛先に届かなかった。
Verizonに問い合わせたところ、テキストメッセージの配信を続けたければ、新たな料金体系と規則に従う必要があることを伝えられた。HeyWireは、Verizonが同社の運用形態に対して不公正な制御 ― 同社は「ネット中立性」に反すると考えている ― をしていると主張している
現時点で、ネット中立性に全く関心のない1億2500万人のアメリカ人たちは、それ以上関心を持ちそうにない。それは複雑である。複雑なものは退屈である。それを踏まえつつ、なぜSMSとブロードバンドの提供が、十把一からげになってしまったかを簡単に説明する。
基本的に、モバイルサービスは2つの要素にわけられる。音声通話とインターネットだ。音声部分は1934年の通信法によって保護されている。インターネット関係サービスはそうではない。ユーザーからより多くの金を引き出すために、サービスプロバイダーはSMSをインターネットの旗の下に置くことにした。可能だったからだ。
キャリアはテキストメッセージを、事実上思い通りの値段で売る権利を有している。これは法外な料金を課すことができるだけでなく、ユーザーが見るコンテンツを取り締ることもできることを意味している。これが中立性推進者を心配させている。
現在FCCは、ネット中立性規制を、家庭およびビジネスブロードバンドに適用することを考えている。民主党議員らは、付加料金を支払った者を優先的に扱う有料優先化を禁止する法案を推進している。決議は2月26日に行われる。公正でオープンなインターネットを擁護する人たちは、大型キャリアが顧客を踏みつけにすることを防ぐ結果を望んでいる。
HeyWire等の会社に経験を踏まえれば、テキストメッセージングも大義に加えられるべきだ。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)