広告クリエイティブ運用クラウド「リチカ クラウドスタジオ」の開発・運用などを行う広告テック企業リチカは、9月28日、第三者割当増資による約8億円の資金調達の実施を発表した。引受先は、既存株主であるみずほキャピタル、新生企業投資、FFGベンチャービジネスパートナーズ、DIMENSION、マネックスベンチャーズの他、新規株主としてGMO VenturePartners、大和企業投資、博報堂DYベンチャーズ、rooftopが加わった。これにより累積調達額は約10億6000万円になった。調達した資金は、「ネット広告の制作自動化」に向けた、独自の自動生成技術や広告の自動最適化の強化に充てられるという。
リチカ クラウドスタジオは、「導入したその日からネット広告で戦略的なクリエイティブ制作・改善を実現できる」というクラウドサービス。プロレベルの動画広告が簡単に作れるサービスだ。コロナ禍の影響で、広告を内部で制作する企業が増え、ネット広告制作ツールの需要が高まっているという。リチカのシステムは、ベネッセ、カドカワ、セブン銀行など大手を中心とした400社以上に導入され、月間2万本以上の動画広告が作られているとのこと。ネット広告以外にも、渋谷駅前のサイネージやテレビCMにも使われている。
リチカ クラウドスタジオの特徴は、クリエイティブ、テクノロジーなどの専門家集団「リチカ クリエイティブファーム」や独自のマーケティング研究機関「RC総研」を構え、プロレベルの広告用素材や簡単に使える動画制作ツールなどを提供する他、クライアントには専任のコンサルタントが付き、1対1で寄り添いながら、動画制作から広告運用まで総合的な「ワンストップ」でのマーケティング支援をしてくれる点にある。
代表取締役の松尾幸治氏は、デジタル世界でも「定量化できない曖昧なものの価値」を高めたいと話す。伝えにくいものを伝えるテクノロジーを提供するリチカは、それを「作り方の革命であり、届け方の革命」としている。