サイバーセキュリティのスタートアップCybSafeは、「behavioral security(行動のセキュリティ)」に関するプラットフォームを自称する。同社はこのほどIQ CapitalがリードするシリーズAの資金調達ラウンドで790万ドル(約8億3000万円)を調達した。これにはHanover Digital Investments(HDI))GmbHとB8 Venturesが参加している。CybSafeはこの資金で、エンタープライズとミッドマーケットのクライアントベースを広げる意向だ。CybSafeは、ユーザーごとのサブスクリプションライセンスモデルを備えたSaaS製品だ。
テクノロジー業界の多くの人が知っているように、セキュリティに対する大きな懸念はシステムよりも人だ。たとえば実際に英国のデータベース侵犯は、その90%がヒューマンエラーが原因だ。
CybSafeの「行動を指標とする」プラットフォームは、行動科学とデータ分析に基づいて行動関連のセキュリティリスクを管理し、個人別のサイバーサポートを提供する。同社には15カ国に350社の顧客があり、その中にはCredit SuisseやAir Canada、HSBC、NHS Trustsなども含まれる。
CybSafeは、サイバーレジリエンスとインテリジェンスのエキスパートであるOz Alashe MBE(オズ・アラシェ)MBEが2017年に創業した。英国陸軍特殊部隊の中佐だった彼は、英国軍パラシュート部隊と特殊部隊において初めての黒人将校だった。同社のチームには英国政府のサイバーセキュリティ専門家や行動科学者、データサイエンティストそしてソフトウェアエンジニアなどがいる。
アラシェ氏によると、彼のプラットフォームはユーザーのセキュリティに対するスキルと習慣の向上を助ける。認定されているマイクロラーニングコンテンツと適応型サポート教材、そして個人化されているナゲット(一編が10分未満の短編教材)を使用する。アラシェ氏の説明によると、具体的な状況に即したジャストインタイムのオンデマンドコンテンツにより、ユーザーは自分が今必要としているヘルプを得ることができるという。現在このプラットフォームは、9つの言語に対応している。
CybSafeはモバイルアプリとウェブアプリケーションで提供され、「ひと口サイズ」のガイダンスやアラート、そして通知を出す。
CybSafeはKnowBe4やWombat Security、Infosecなどと競合するが、アラシェ氏によるとCybSafeの強みは、平均的人間のセキュリティ意識に対応することだという。「セキュリティ意識は死んでいる。その現状は効果も効率もない。CybSafeは行動科学とデータ分析を利用して、実際に効果のある、セキュリティのための行動への介入を提供する。それらの行動介入は、もっとも効果の高いもので90%以上の効果がある」とアラシェ氏はいう。
チームのメンバーのCTOであるJonathan Webster(ジョナサン・ウェブスター)氏は、かつて女王陛下に仕える政府のデジタルサービスにいた。また John Blythe(ジョン・ブライス)博士は、英国心理学会の王室御用達心理学者で、行動科学部会のトップだ。
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カテゴリー:セキュリティ
タグ:CybSafe、資金調達
画像クレジット:CybSafe
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(文:Mike Butcher、翻訳:Hiroshi Iwatani)