ビットキーが集合住宅向けの顔認証入退館システムを開発、マスク装着状態の認証にも対応へ

ビットキーは6月11日、集合住宅向けに「レジデンス向け顔認証ソリューション」を公開した。第1弾として、エントランスのオートロックを顔認証で解錠可能にするシステムを販売する。なお、同システムはすでに東京都江東区の「プラウドタワー東雲キャナルコート」での実証実験が始まっている。

この顔認証ソリューションを導入するには、顔認証用のタブレット端末とカメラの設置のほか、オートロックシステムと連動させるための工事が必要となる。顔の登録自体は同社の指定アプリもしくはウェブサイト上で実行可能だ。

同社では今後、集合住宅での入退館以外の用途についても顔認証を利用できるように、自社での製品開発はもちろん、他社製品やシステムとの連携を進めるとのこと。また、2020年7月にはマスクをつけたままでの顔認証を可能にするほか、今後はパスワードなどの複数の認証方法を組み合わせた多要素認証にも対応するという。

ビットキーは、スマートロックの「bitlock」シリーズを展開するスタートアップ。製品の販売だけでなく、カギのシェアが可能なスマートロックの特徴を生かして、居住者が不在時の宅配・家事代行・クリーニングなどのサービスも展開している。スマートロック自体の目標としては、2020年中にシリーズ累計で100万台の受注を目指す。

なお、顔認証のシステム自体は台湾拠点のサイバーリンクが開発した「FaceMe」を利用している。FaceMeは、認識速度が最速0.2秒以下、本人識別率が最高99.7%のAI顔認証エンジン。カメラに対して角度がついた状態で正しく顔を認識する広い認識範囲が特徴とのこと。具体的には垂直(上下)は50度、左右(水平)は60度の範囲で認識可能だ。

対応OSも幅広く、Windows、Android、iOS、Linux(Ubuntu x86、Ubuntu ARM、RedHat、CentOS、Yocto、Debian、JetPack)などで利用可能なので、認証端末にはWindowsタブレットやAndroidタブレット、iPadなどを利用できる。

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TechCrunch Japan

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