ピザ店向けオンライン注文プラットフォームのSliceがPOSシステムの提供を開始

米国時間3月30日、独立系ピザ店向けオンライン注文プラットフォームのSliceが新たなサービスを2つ発表した。ピザ店専用のPOSシステムと利用者向けのリワードプログラムだ。

2020年にSliceがPOS企業のInstoreを買収し、InstoreのCEOであるMatt Niehaus(マット・ニーハウス)氏がSliceの決済担当シニアバイスプレジデントになったことから、新しいSlice Registerが生まれた。

ピザ店向けのPOSシステムとなると、特に他のPOS製品と比べて対象が狭いように思えるが、ニーハウス氏はSliceを利用している1万5000のピザ店の多くは今も現金のレジ、そしてペンと紙に頼っていると指摘する。「ピザ店を経営する人は、ピザ作りは確かに得意ですが、たいてい会計面には慣れていないのです」。

同氏は、既存のPOSシステムはピザ店のニーズやワークフローに合うように作られたものではないともいう。Sliceの創業者でCEOのIlir Sela(イリル・セラ)氏は、既存のPOSシステムの大半はまずオフラインの注文用に作られ、後からオンラインに対応したものだと補足した。さらにニーハウス氏は、平均的な地元のピザ店ではオンラインからの注文はわずか19%であると述べた(Dominoの平均的な店舗では75%)。

「Dominoがまさに競合であって、POS企業ではありません」とニーハウス氏はいう。

画像クレジット:Slice

Slice RegisterはソフトウェアとiPadなどのハードウェアを組み合わせたソリューションだ。当然、Sliceのオンライン注文と統合され、メールやモバイルマーケティングにも対応している他、顧客ごとの情報をまとめて表示する機能もある。ニーハウス氏は「1つのプラットフォームで顧客を獲得しオンラインに誘導する」ように作られていると説明する。

ピザ店はハードウェアやソフトウェアの初期費用は無料でSlice Registerを利用できる。2021年は決済処理の費用のみがかかり、追加料金は2022年に発表される。

新しいSlice Rewardsプログラムでは、Slice経由で8回、15ドル(約1600円)以上の注文をするとラージのチーズピザを1枚もらえる(無料のピザの代金は、ピザ店ではなくSliceが負担する)。セラ氏は「Dominoによく似ていますが、独立系ピザ店が広く対象になるプログラムです」と説明する。

セラ氏は「利用者には好きな地元の店舗が最大4つあって、どの店も同じように気に入っていることがわかりました。そのお気に入りの4店舗のどこから購入してもリワードがもらえるのは、本当に魅力があると思います」と述べた。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:SlicePOSピザ

画像クレジット:Slice

原文へ

(文:Anthony Ha、翻訳:Kaori Koyama)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。