Huawei(ファーウェイ)はようやくAndroid使用禁止について声明を出した。しかし、同社のモバイル事業の長期戦略は依然不透明のままだ。
顧客の懸念を和らげようと、包囲網を敷かれたファーウェイは米国時間5月20日、セキュリティのアップデートと既存のラインアップへの製品サポートの提供を続けると明らかにしたが、同社が言及しなかったことが懸念として今後広がることになりそうだ。
ファーウェイは、顧客がAndroidソフトウェアのアップデートを受け続けられるのかについて保証することはできなかった。その一方で、今後展開するスマホが現在のAndroidのようなもの、あるいは他のものを搭載して出荷されるのかについても発表文では明らかにされなかった。
出荷台数が世界で2番目に多いスマホメーカーのファーウェイは、世界中の顧客のために安全なソフトウェアのエコシステムの開発を続けると述べた。また、展開するスマホブランドであるHonorのサポートも引き続き行う。ファーウェイスマホの半分近くが中国外で販売されている、と調査会社CounterpointはTechCrunchに対し語った。
声明全文を以下に記載する。
ファーウェイは世界中でAndroidの開発と成長に貢献してきた。Androidの主要パートナーの1社として、ユーザーとこの業界が恩恵を受けてきたエコシステムを発展させるために、オープンソースのプラットフォームで緊密に連携してきた。
今後もセキュリティのアップデートと、これまでに販売され、また在庫としてある既存のHuawei Honorブランドのスマホとタブレット製品のアフターサービスの提供を続ける。我々は、世界中の全ユーザーに最高の使用体験を提供するため、安全で持続可能なソフトウェアエコシステムの構築を続ける。
加えて、ファーウェイは計画通りHonor 20を発売すると発表した。このデバイスは米国時間5月21日にロンドンで開催されるイベントで披露されることになっている。Honorはサブブランドだが、ファーウェイに科せられた制裁はHonor事業にもおそらく反映されるだろう。
ファーウェイの生ぬるい対応は予想されたものだ。これにより前に、Google(グーグル)は同様にどっちつかずの声明を出していた。声明では、Huawei端末のユーザーは Google PlayストアとGoogle Play Protectにアクセスし続けることができるとしたが、ファーウェイと同じようにいま本当に聞きたいことである今後の見通しについては言及はなかった。
実際、ファーウェイとグーグル内の情報筋はTechCrunchに対して今後の対応は不透明だ、と語った。
もしかするとファーウェイは、Google Play StoreやGmail、YouTubeといったGoogleサービスなしのAndroidのオープンソースバージョンAOSPの使用を余儀なくされることになるかもしれない。これは、非常事態用に構築されているとメディアが報じるファーウェイの簡素な別の選択肢を拡充させなければの話だ。
Huaweiの今回の声明発表は、グーグルがファーウェイとのビジネスを停止したとロイターが報道したことを受けてのものだ。Googleは、Huaweiと関連する70社を「エンティティーリスト」に追加するという米商務省の指示に従っている。この措置では、米企業がファーウェイとビジネスをするには政府の許可を得なければならない。
一方、ファーウェイにとって状況は厳しくなっている。今回の米政府の措置により、Androidに加えてIntel(インテル)、Qualcomm(クアルコム)、Xilinx(ザイリンクス)、そしてBroadcom(ブロードコム)も解決策が図られるまで、ファーウェイへのチップ供給を停止すると報道されている。
イメージクレジット: Jaap Arriens/NurPhoto / Getty Images
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(翻訳:Mizoguchi)