ファーウェイは第1四半期にスマホ5900万台を出荷、売上高は39%増の3兆円

Huawei(ファーウェイ)の昨年の純利益が88億ドルだったことは記憶に新しいところだが、かなりの中傷を受けているこの中国テック大企業はさらなる成長をみせている。ファーウェイは今日、今年第1四半期の売上高が前年同期比39%増の267億8000万ドル(1797億人民元)だった、と発表した。

ファーウェイは従業員が所有する企業だと同社は主張しているが、最近発表された論文はそれに疑問を呈している。ファーウェイは上場していないが、KPMGが監査した数字を年1回発表している。そして今回、初めて四半期の数字を公表した。おそらく監査を経ていない数字で、明らかに意図的に選択されたものだ。

ファーウェイはQ1の純利益を公表していないが、純利益率は昨年の同期より「若干高い」8%だとした。2019年第1四半期に、ファーウェイはスマートフォン5900万台を出荷した。その一方で、3月末時点で40件の5G契約を結び、ワールドワイドで5Gネットワークをサポートする7万超のベースステーションを出荷した、とした。

「2019年は世界中で5Gを大規模展開する年になる。これは我が社のキャリアビジネスグループにとって未曾有の成長機会となることを意味する」と述べている。

キャリアビジネスの数字についての言及はこれだけだ。ファーウェイがどこに向かっているのかというのは、2018年の数字を参考にするといい。要するに、ファーウェイは消費者向けデバイス分野に向かっている。

同社の2018年決算では、売上高は前年比19.5%増の7210億人民元(1074億ドル、約12兆円)で、スマホや他のデバイスの販売が最大の収入源だった。

消費者向け事業の売上高は45%伸びて3490億人民元(520億ドル、約5.8兆円)に達した一方で、キャリア向け事業の売上高は1.3%減の2940億人民元(438億ドル、4.9兆円)だった。法人向けサービスは744億人民元(111億ドル、1.2兆円)だった。

消費者向け事業の押し上げは、米国や西欧諸国政府からファーウェイのネットワークとキャリア事業に向けられた敵意を考えたとき、さほど大きな驚きではない。

それでも同社は、米国における同社製品の禁止について、連邦政府はデュープロセスを破り、憲法に違反したとして訴えを起こして応戦した。ただ、国家の安全を巡る米国の懸念は、ファーウェイのテレコムネットワークキットには「重大なテクニカル上の問題がある」とする最近の英国政府のレポートによって援護されている。

ファーウェイ・サイバーセキュリティ評価センター(HCSEC)監視委員会による英国国家安全保障アドバイザー向けに用意されたこのレポートでは、「抱えている欠陥を解決する手段を提案しているトランスフォーメーションプログラムを首尾よく完了させる能力をファーウェイが有しているかどうか、確証はまだ得られていない」としている。

イメージクレジット: Jaap Arriens/NurPhoto / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

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TechCrunch Japan

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