フィットネスユニコーンのPelotonがIPO申請書類を公開

インターネットに接続するフィットネスバイクやトレッドミルのメーカーで、これまでに十分な資金調達を行ってきたニューヨーク拠点のPelotonがようやく、来たるIPOに向けた書類を公開した。同社は6月、米国証券取引委員会にS-1(証券登録届出書)のドラフトを非公開で提出していた。

Nasdaq上場で5億ドルの調達を計画しているPelotonのティッカーシンボルはPTONとなる見込みだ。

Pelotonの今年6月30日までの1年間の総売上高は9億1500万ドル(約970億円)で2018年の4億3500万ドルから110%増えた。2017年の売上高は2億1860万ドルだった。一方、損失のほうはというと、2019年は2億4570万ドル(約260億円)で、昨年の4790万ドルの赤字から大きく増えた。

同社のアカウントを持つ個人メンバーの数は140万人に達した。

顧客は、2200〜4295ドルするハードウェアの購入に加え、Pelotonのフィットネスコンテンツやストリーミング、オンデマンドのデジタルライブラリーを月額39ドルで購読できる。同社によると、2019年会計年度にPelotonのユーザーは5800万回のワークアウトを行った。購読者ベースは過去最多の51万1202人だった。

2019年会計年度の購読の売上は1億8100万ドルで、前年の8000万ドルから大きく増えた。

6700万世帯が接続するフィットネス機器を所有するという現状について、Pelotonの共同創業者でCEOのJohn Foley(ジョン・フォーリー)氏はS-1に「Pelotonは幸福を販売している」と書いている。

「Pelotonはただのバイクではない。現代で最もイノベーティブなグローバルテクノロジープラットフォームのひとつを作るチャンスを手にしていると確信している」とフォーリー氏は記している。「世界で最も重要で、影響力の大きいインターラクティブなメディア企業のひとつを作るチャンスだ。人々の暮らしを変え、重要さをインスパイアし、人々を結びつける」。

2012年創業のPelotonは昨年ベンチャーキャピタル投資で5億5000万ドル(約538億円)を調達し、企業価値は41億5000万ドル(約4400億円)になった。描くビジョンで当初ベンチャーキャピタルを説得するのに苦労した同社は「Mirror」という名称のスマートミラー企業などを含むフィットネステック企業が次々に生まれる新たな波の先駆けとなった。

PitchBookによると、Pelotonはこれまでにベンチャーキャピタルで計9億9400万ドル(約105億円)の資金を調達した。S-1書類には主要株主、あるいは同社の株を5%以上所有する投資家として、CP Interactive Fitness(IPO前で5.4%)、TCV(6.7%)、Tiger Global(19.8%)、True Ventures(12%)、そしてFidelity Investments(6.8%)の名を挙げている。

ゴールドマンサックスとJPモルガン証券がIPO引受人を務める。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。