フリーランサーや零細企業にデジタルバンキングサービスを提供しているスタートアップ「Oxygen」が、5億ドル(約570億円)以上の評価額での新規ラウンドの調達に向けて交渉中であることを、2人の情報筋が語ってくれた。
サンフランシスコに本社を置く同社は、約7000万ドル(約79億7000万円)の資金調達に向けて交渉を進めているとのこと。ロンドンを拠点とするTribe VenturesがOxygenのシリーズBラウンドを主導する交渉を行っていると、詳細は非公開のため匿名を希望している情報筋は付け加えた。
米国やその他の地域の銀行は昔から、従来的な定職と安定した定期収入がない個人へのサービス提供を拒否してきた。
以前Amazon(アマゾン)で働いていたHussein Ahmed(フセイン・アーメッド)氏は、他のスタートアップをサポートするフリーランスコンサルタントとして仕事をするようになってから、自らこの問題に直面した。2020年のポッドキャストで同氏は「その時に、当社が今サービスを提供しようとしている市場セグメントに行き当たったのです」と語った。アーメッド氏はWeWorkで仕事をしていたとき「写真家から不動産ブローカー、会計士まで、周りの人たちは皆、同じ問題に直面している」ことに気づいた。
アーメッド氏がOxygenを立ち上げたのはその時期だった。このスタートアップは、一般消費者や小企業向けに、月額料金ゼロの口座を提供している。これらの口座は、FDICによって保証されており、最低残高なしで運用でき、Visaデビットカードが付いている。
Y Combinator(Yコンビネータ)やRuna Capitalなどが出資している同社は、これまでに60万人以上の顧客を獲得している。
Oxygenは今回の資金調達の交渉についてコメントを控えたが、アーメッド氏は広報担当者を通じて、同スタートアップは「2021年に大規模な成長を遂げ、2021年は収益を10倍に伸ばした」と述べている。「将来の計画に最適な資金調達方法について継続的に話し合っており、可能なときにコメントする予です」とのこと。
画像クレジット:Oxygen
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(文:Manish Singh、翻訳:Aya Nakazato)