営業スキルをもつ個人と企業をつなぐプラットフォーム「Saleshub」を運営するSaleshubは9月12日、インキュベイトファンドを引受先とする第三者割当増資を実施した。調達金額は8000万円だ。
Saleshubは、クライアントを紹介して欲しい企業と個人の営業マンをつなぐマッチングプラットフォーム。企業がSaleshubを利用して案件を掲載すれば、外部の営業リソースを幅広くあつめることが可能だ。
営業マンはまず、その案件に応募をし、企業との面接をクリアすることで「サポーター」となることができる。その後、企業が求めるクライアントを紹介することができたサポーターは、それに見合う報酬を企業から受け取れるという仕組みだ。
案件のなかには、アポをセッティングするだけで数千円の報酬を受け取れるものもあれば、成功報酬として数百万円を受け取れるものもある。Saleshubが受け取る手数料は報酬金額の35%で、その手数料を別途企業側から受け取る。
2017年6月にリリースしたSaleshubだが、今のところプラットフォームに掲載されている案件はBtoBのものがほとんどだという。Saleshubがこれまでに獲得した企業アカウントは約330件、営業マン側の登録アカウントは約1230件だ。
営業マンでも副業しやすい環境を
最近では、クラウドワークスなどのクラウドソーシングサービスも身近になり、なんらかのスキルをもつ個人が副業しやすい環境が整いつつある。先日TechCrunch Japanでも紹介した「副業サービスマップ」を見ていただくと分かるように、副業系サービスの数はかなり多い。
しかし、そういったサービスで副業をしやすいのは、エンジニアやカメラマンなど特定の専門スキルをもつ人たちだ。
Saleshub代表取締役の江田学氏は「専門スキルをもつ人たちよりも、いわゆる営業マンと呼ばれている人たちの方が人口的には多い。にもかかわらず、営業マンが副業しやすい環境はまだまだ整っていないと感じていた」と話す。これがSaleshub創業のきっかけだ。
聞いてみると確かにその通りで、「フリーランス・カメラマン」だとか「フリーランス・エンジニア」という言葉はよく聞くが、「フリーランス営業マン」という言葉はあまり耳にしない。このようなサービスが増えてこれば、そんな新しいカテゴリーが生まれる可能性もあるだろう。
Saleshubは2014年8月の創業。当時、同社はエンジェル資金として元ペロリの中川綾太郎氏から300万円を調達し、遊びにでかける場所の口コミサイトを運営していた。
同サービスは月間50〜60万人のユーザーが利用するまでに成長したが、「そのような口コミサービスでは月間1000万人くらいまで獲得しないとビジネスがワークしない」と判断した江田氏は、同サービスを停止してSaleshubへとピボットすることを決意した。
その方向転換を行うのと同時期に、Saleshubはマイナースタジオ代表取締役の石田健氏とEast Venturesから1300万円を調達している。今回の調達資金を含むSaleshubの累計調達金額は9600万円となる。