米国でのオンデマンド・フードデリバリーの戦いは未だにヒートアップを続けている。米国時間2月27日、DoorDashは証券登録届出書のForm S-1をSECに非公開で提出したことを発表し、現在確認手続き中であると語った。売出し予定の株数やIPO株価の範囲、次のステップの時期などについては何も語っていない。
株式公開は、同社がオンデマンド配達業界の重要な時期に大規模な資金を調達するひとつの方法だ。競合は激烈で全世界で多くの統合が起きている。このニュースのタイミングも、いかにこのビジネスがキャッシュに依存しているかを強調している。一部で米国フードデリバリー市場のトップと見られているDoorDashは、わずか3カ月前の昨年11月に調達ラウンドを終えたばかりだ。調達額は7億ドル(約762億円)で、当時の会社評価額は130億ドル(1兆4160億円)だった。
DoorDashが、カナダ、プエルトリコ、オーストラリアとともに主要な市場としている米国で、同社は市場シェア38%を占めていると言われている。シェア10%のPostmates、20%のUber Eats、伝統的企業であるGrubhubは31%と熾烈な争いを繰り広げており、資金も多く必要だ。この激しい競争は極めて資本集約的であり、DoorDashがUber EatsとPostmatesとの合併を目論んでいるという噂がここ数年出回っている。
しかしDoorDashはそれ以外にも課題を抱えている。数千人の契約労働者との接し方や支払いに関する労働問題のほか、昨年のデータ漏洩問題は、500万人近い顧客、労働者、売り手などに影響を与えた。ほかにも、Scotty Labsを買収して自動運転システムの導入(人間の配達ドライバーの補助または置き換え)を検討するなど技術蓄積も密かに進めている。
IPOを非公開申請することで、まだ「成長」段階にあるスタートアップ(ほとんどが赤字)が、手続き中に世間の監視を受けることなく準備を進められる。SpotifyとSlackが取った手法で、必ずしもIPOにつながらない(両社は上場済み)。WeWorkの申請とその後会社の状態を詳しく公表したしてからのUターンを思い出してほしい。またPostmatesは1年前にIPO申請したが、その後資金調達を行っており、上場は遅らせると言われている。
画像クレジット:Photo by Tibrina Hobson/Getty Images for Los Angeles Times Food Bowl / Getty Images
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )