プロダクトデザインのコラボレーションツールInVisionがシリーズDで5500万ドルを調達

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プロトタイプ制作やデザインを複数人で協力して行うためのツールInVisionがシリーズDで5500万ドルを調達した。リード投資家はMark ZuckerbergやJack Dorseyなどの投資で有名なIconiq Capitalが務め、既存投資家のAccel PartnersFirstMark Capitalも今回のラウンドに参加した。

シリーズCで4500万ドルを調達してから1年弱での調達だ。InVisionはすぐに資金調達を行う必要があったわけではないが、企業内のコラボレーションを助けるツールに注目が高まっていて、投資に関心のある企業からのインバウンドの問い合わせが多くあったと共同ファウンダーでCEOのClark Valbergは話す。

InVisionは調達した資金の使い道に関して具体的な計画を決めていないが、引き続き適切であれば、戦略的な買収を行うつもりだという。InVisionは昨年、小さなデザインツールを5つほど買収し、そのほとんどは「アクハイヤー」目的だった。

InVisionは特定の人たち(デザイナー)が毎日使うことを想定したツールを構築しているため、最適なプロダクトマネージャーはデザイナー出身のファウンダーであるとValbergは説明する。何回かプロダクトマネージャーをデザイナーに転身させようと試みたがうまくいかなかったため、InVisionはすでに会社を設立し、プロジェクトのマネジメント経験のあるデザイナーを採用することが彼らにとって有益と考えるようになったという。

InVisionは200万人以上の登録ユーザーを抱え、Fortune 100の会社の70%で利用されているそうだ。 Facebook、Apple、Disneyといった有名なテクノロジー企業も含まれている。

Valbergはほぼ全ての企業において、デザインチームがInVisionを使い始めるという。けれど、多くの場合、組織の他の部署でもプロトタイプツールを使い始め、デザインプロセスとは直接関係のない人も利用するようになるという。例えば、ある会社のCFOは、このツールで、始めに開発者が構築した特定の決済フローに関してフィードバックするのに使っていたりしているという。

InVisionでユーザーが自然にコラボレーションできるようにすることは、InVisionの実際のデザインツールと同じくらい重要であるという。彼らのツールは講堂のようなもので、いくつかのチームがそれぞれ壇上でプロジェクトに取り組んでいるのに似ていると話す。その企業の他の何千という社員は観客席から壇上にあるプロジェクトを見たり、デザインの過程でフィードバックをしたりしているイメージという。

Slackが一般的な組織内のコミュニケーションツールであり、AtlassianやGitHubがエンジニア向けコミュニケーションツールであるように、InVisionの最終的な目標はプロダクトベースのコミュニケーションツールになることだ。今回の資金調達はその目標に早く到達するための助けとなるだろう。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

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TechCrunch Japan

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