[筆者: Eliza Brooke]
今日(米国時間7/12)、Indiegogoにおける、ヘルススキャナScanadu Scoutの資金募集が、同サイトの5年間の歴史における最高記録を作った。現在137万8545ドルでまだ終了していないが、これはBuild A Goddamn Tesla Museumが作った記録137万461ドルをすでに上回っている。
Scanaduは図のように小型で円形のスキャナで、人の生命信号を読み取って無線でスマートフォンに送る。それはどうやら、保健医療の自己管理という、これまでどの企業も未対応だった消費者ニーズを掘り当てたようで、最初の目標額10万ドルは2時間足らずで達成し、5時間でその倍になった。
まだ締切りまで8日あるが、出資者は100か国7000名に上(のぼ)る。現時点で最終到達額は予測できない。この記事を書き終えた時点でさらに4000ドルあまり増えている。
Indiegogoで100万ドルを超えたプロジェクトは4つあり、Scanadu ScoutとTesla Museumはその内の2つだ。またこの2つは、期間延長を許されたごく少数のプロジェクトにも属している。
Indiegogoの協同ファウンダでChief Customer Officer(顧客担当最高責任者)のDanae Ringelmanによると、同サイトは資金募集に関する制約を他より少なくすることによって、プロジェクトの市場性を十分にテストできるようにし、市場参入時の失敗のリスクを低くしている。プロジェクトのオーナーは、いくつかの特典を加えることによってどの機能に人気があるかを調べたり、価格をあとから変えたり、需要が生産にゴーサインを出せるほどの臨界量に達しているか、などを資金募集の期間中に判定できる。Indiegogoはホームページで特定のプロジェクトを取り上げず、平等主義/実力主義に徹している。
でも、これらのことは、期間延長をしなくてもとっくに市場性が確証されたScanadu Scoutが、期間延長を認められた理由を説明していない。
Indiegogoの実力主義の下(もと)では、すべてのプロジェクトに期間延長の機会がある。短期間に大量の関心が集まったプロジェクトの場合には、期間延長がプロダクトの細部調整や、消費者との対話、調達額の増額、それに広告宣伝などの機会を与える。すでに離陸したプロジェクトの場合は、期間延長は単に時間の無駄である。
それが良いことか悪いことかは定かではないが、それ…期間延長制…によって、少なくともIndiegogoの上では、クラウドファンディングの性質が変わることは確かだ。
Scanaduの作者Walter De Brouwerによると、この製品は消費者テストなどをいっさいしない、完全な真空中で作られた。だから最初は、クラウドファンディングを利用することにもためらいがあった。でも結局は、消費者の関心を測るためにはそれがベストの方法だった。
Scanadu Scoutの製作の次のフェーズは、消費者教育のための部位を作ることだ。人々が自己の健康管理を自主的に行えるためには、スキャナがデータを集めてくれるだけではだめで、データの意味と、それらへの対応方法が分からなければならない。De Brouwerはこのことを、保健医療の医療機関化から消費者化への遷移、と呼んでいる。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))