ポケモンGOで有名なNianticがAR(拡張現実)のスタートアップ、Escher Realityを買収することを発表した。Escher RealityはマルチOSのモバイルARのプラットフォームを提供する。このバックエンドを利用したゲームでは、複数のユーザーが現実世界上で仮想の対象を共有するゲームが可能になる。
Eshcer Realityが提供する複数プレイヤーに体験を共有させる能力は現在GoogleのARCoreやAppleのARKitには欠けている。
拡張世界を複数プレイヤー間で持続的に共有させることができるのは、ARシステムが複数のユーザーの現実の位置、動作と仮想の対象の位置、動作を共に記憶できるからだ。プレイヤーAが自分のAR世界にピンポン球を持ち込むと、プレイヤーBもそれを認識し、球を打ち返すことができる。プレイヤーAも同様なので拡張現実でピンポンをプレイできる。このプラットフォームは体験の共有を提供するので、さらに複雑な関係を構築することが可能だ。
Escher RealityはY Combinator出身のスタートアップの中でも目立った存在であり、われわれはお気に入りリストに加えて紹介している。このスタートアップの傑出しているところは、バックエンド・プラットフォームという地味なジャンルでありながら、誰もが興奮する(そして今のところ理解できない)ような体験を生み出していることだ。
Nianticによる買収の詳細は明らかにされていない。Escherへの投資家にはUncork Capital、Founders Fund、Y Combinator、Liquid 2 Ventures、 Webb Investment Network、iRobot Ventures、Presence Capital、Into Venturesなどが含まれる。
NianticはARゲーム市場のきわめて強力なリーダーなのでEshcerを買収したことは順当だ。Nianticは同社のブログで、まもなくEscherのテクノロジーを現実のゲームに利用するつもりだと書いている。
Escher ARのテクノロジーを得たことでNianticは大いに興奮している。 Nianticは現実世界をベースにしたARプラットフォームを開発しており、このテクノロジーはそこで複数プレイヤーが体験を持続的に共有することを著しく加速させるはずだ。今年後半までにARにおけるクロスプラットフォーム・テクノロジーを広い範囲のデベロッパーが利用できるようにすることがわれわれの目的だ。デベロッパーに対する提供スケジュールについては続報をお待ちいただきたい。
NianticはポケモンGOの次のメジャータイトルとしてハリー・ポッターの世界のゲーム化したHarry Potter Wizards Unite を今年後半にリリースする。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)