ポルノとセックスは別物。インターネットはもっと「セックス」を許容すべきだ

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「Meerkatの特殊機能を最大限活用しているのは、おそらくアマチュア・ポルノ写真家である」、とThe Economistは冷やかに観察してMeerkat対Periscopeの戦いの分析を終えた。「ポルノには新たなビデオテクノロジーを促進してきた長い歴史がある」。たしかに。ポルノは常にテクノロジーの先端にいる。しかし、セックスはどうか?

数ヵ月前、私はCindy Gallopと同席した。広告の達人からセックス・テクノロジー・スタートアップのファウンダーに転じ、数年前にTED史上最も記憶に残るトークを披露した女性だ(そして世界最高のTwitter bio欄を持つ)。Gallopは彼女以外に殆ど誰も信じていない破壊的概念を訴えようとした。「IT業界、およびインターネット全般は、もっとセックスを許容すべきである」。

おそらく殆ど矛盾語法のように感じるだろう。何しろ、インターネットにセックスが蔓延していることは誰もが知っている。”Rule 34″[あらゆる存在にはそのポルノが存在する]。Alexaのグローバルサイト・トップ500見て、ポルノを流布しているものがいくつあるか数えてみてほしい。

…しかしあれは〈ポルノ〉だ。Gallopは、インターネット ― そしてIT業界全体 ― がもっと〈セックス〉を扱うべきだと頑なに信じている。両者は決して同じではない。セックスは厄介で楽しくて衝動的で私的だ。ポルノはそのいずれでもない。セックスの前には、熱烈な同意と性病予防と避妊がある、あるいはあるべきだ。ポルノにはどれもない。セックスは人間に関わるものである。ポルノは概して体に関わる傾向にある。

そこに何か間違いがあるということではない。Gallopのスローガンの一つは、「ポルノ賛成。セックス賛成。違いを知ることに賛成」である。これは若い人々が混乱する違いだ。彼女はこう言う。「ポルノと性教育の間には埋められていない大きな隙間がある…今や子供たちは6~8歳でポルノに遭遇し始める[もっと早い場合もある]。だから彼女の『トーク』は、『セックスは本来そんなものではない』を強調する(このNew York Times同じテーマの記事も参照されたい)。

ポルノではない性的コンテンツ(およびセックス関連テクノロジー)を要求することが、そんなに過激だろうか? ある意味、イエスだ。インターネット ― およびIT業界全体 ― は事実上2つの孤立した領地に分極している:「ポルノ」対「非性的コンテンツ」だ。両者の中間には殆どあるいは全く入る隙がない。ごくわずかでも性的なものは(一般に)ポルノと考えられ、「信用ある」会社からは汚れた物として扱われる。The Daily Beastがこう論ぢている:「現在のIT環境は、スタートアップとアプリに推進加速され、あらゆる分野において破壊が奨励されている ― セックスを除いて」。

Gallopの設立したスタートアップ、Make Love Not Pornは、社会的に許容され共有可能な性的コンテンツのためのプラットフォームを意図している ― そこにはコミュニティーが作った露骨な内容のコンテンツが大量に置かれている。しかし、「小さな文字で書かれた注意書きには『アダルト向けコンテンツはない』と書かれている」。彼女がサイトを立ち上げ運営するために外部インフラを設定するだけでも巨大な苦闘だった。支払い処理業者は彼女を拒否した。ビデオホスティングサイトは彼女を拒否した。誰一人として、どんな形にせよ性的コンテンツに関わりたがらない。

この問題を、大いに有害で大いに誤解されているポルノ業界の責任にするのは簡単だ。簡単だが、おそらく間違っている。私がGallopに、セックスが殆ど触れてはならないビジネス分野になっているのは、ポルノが水を汚したからなのか、それともわれわれの社会における、セックスに対するしばしば歪曲され、偽善的で、混乱した姿勢の問題なのかを尋ねたところ、彼女は一瞬もためらうことなく「後者」だと答えた。

そしてIT業界の殆どが、セックスに触れようともしない。「Marry Meekerはインターネットでナンバーワンの利用について語ろうとしない」とGallopは非難する、「それが紛れもなく膨大な金を生む分野」であるという事実があるにも関わらず。

うそだと思うなら、映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」の世界的大ヒットを見てほしい ― ひどく問題を抱えた作品であるにもかかわらずだ。クラウドファンドされたEvaを見てほしい。社会的に許容されたセックスは巨大な市場だ。さらに興味深いことに、それは巨大な〈新〉市場である。

Gallopは、ファウンダーにふさわしい大きな野望を持っている。「セックスのカーンアカデミー」になり、次に「セックスのY Combinator」になることだ。しかし、これは単なる野望ではなく個人的使命であることが彼女の話からわかる。「私は何千人もの人からメールを受取り、そこには彼らの生活で最も私的な部分が描かれている…私はこれに対して個人的責任を感じている」と彼女は言う。「私たちは人類の幸福に関わるビジネスをしている。恥かしさの撲滅を加速させたい」。高潔な目標である。業界全体が早く追いつくことを私は願う。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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