Microsoft(マイクロソフト)のCEOであるSatya Nadella(サティア・ナデラ)氏はBuildの基調講演で5月19日、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)のプラットフォームのSoftomotive(ソフトモーティブ)を買収したことを明らかにした。Bloomberg(ブルームバーグ)が今月初め、買収の動きを最初に報じたが、両社は現時点でコメントを出していない。
ナデラ氏はSoftomotiveがマイクロソフトのPower Automateプラットフォームの一部になると述べた。「Softomotiveの買収により、レガシーアプリやサービスにRPAをもたらす」と同氏は語った。
Softomotiveは現在、世界中に約9000人の顧客を数える。同社のWinAutomationプラットフォームは、マイクロソフトのPower AutomateのRPAアタッチッドライセンス(人を介さず実行されるロボットのライセンス)があれば自由に利用できるようになる。
マイクロソフトはPower AutomateにSoftomotiveのツールを利用して多くの新機能を実現する予定だ。新機能にはSoftomotivesのローコードデスクトップオートメーションソリューションのWinAutomationも含まれる。これまで、Power Automateはデスクトップオートンメーションツールを備えていなかった。
また、SAPアプリケーション用のSoftomotiveのコネクタ、レガシー端末画面、Javaをデスクトップオートメーションエクスペリエンスに組み込み、UIオートメーション向けの並列実行とマルチタスクを可能にする。
Softomotivesのもう1つの主力アプリケーションであるサーバーベースのエンタープライズRPA開発用のProcessRobotも、Power Automateの中に新しい居場所を見つけるはずだ。だが筆者は、マイクロソフトが主にデスクトップオートメーションスキルのために会社を買収したと推測する。
「当社の最も際立った特徴の1つであり、DNAの根幹は、使いやすさを追求するぶれない姿勢だ」。SoftomotiveのCEOで共同創業者のMarios Stavropoulos(マリオス・スタブロプロス)氏は述べた。「当社は常に市民開発者の概念を信じてきた。コードを書けるのは世界の人口の2%未満にすぎないため、プロセスの改善と全体的なイノベーションの両方の最大の可能性はビジネスエンドユーザーから得られると思う。これが、エンドユーザーを複雑さから開放するために熱心に投資し、業界で最も直感的なユーザーインターフェイスを作成した理由だ。これにより、技術者ではないビジネスエンドユーザーが、専門的な問題の解決者やイノベーターになれるだけでなく、より多くのことを実行できるようになる。このビジョンをマイクロソフトの一員として追求できることを非常にうれしく思う」。
両社は取引の金銭面の条件を明らかにしていない。
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(翻訳:Mizoguchi)