Teslaのおかげもあって、電気自動車(EV)はごく一般的なものとなりつつある。しかし未だ参入していない自動車メーカーもあるわけで、その中からついにマセラティがEV界への参入を表明した。他のメーカーに比べて大きく出遅れたわけだが、このフィアット・クライスラー・オートモービルズ傘下の高級車メーカーは、2020年に販売開始を予定しているのだそうだ。それに先立つ2019年中に概要を示したいともしている。
方向としては、Tesla Model S風を追うのではなく、グランドツーリング・クーペとしての方向を目指すらしい。Car and Driverにて、マセラティのエンジニアリング部門のリーダーであるRoberto Fedeliが述べていた。先日行われたパリ・モーターショーでのインタビューによるものだ。
Fedeli曰く、他者に対する遅れは重々認識しているとのこと。高級自動車メーカーの中でも最後発のポジションとなる。それがためにマセラティとしては他メーカーと「大いに異なるもの」を発表するつもりであるとのこと。EV市場に参入するにあたっては、既存のブランドイメージをどのように活かしていくかを十分に考慮する必要もある。マセラティは独特のエンジン音や、車体の軽さに特徴がある。EVとなると音は小さくなり、そしてバッテリーのせいで車体は重くなる。これまでのマセラティとは真逆のものともなるわけだ。
マセラティほどのメーカーが、自らのブランドをどのように活かしたEVを生み出すのかは大いに注目したいところだ。EVは、EVであることの独自性などなくなりつつあり、消費者の要求レベルも高くなりつつある。技術面およびデザイン面で、ライバル社とどのような差別化を行うのかが楽しみだ。
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(翻訳:Maeda, H)