マネーフォワードが自前の研究機関「マネーフォワードラボ」設立、家計の“ちょっと先の未来”を可視化

家計簿アプリなどを提供するマネーフォワードは3月6日、データ活用を目的とした研究組織「マネーフォワードラボ」を設立すると発表。都内にある同社オフィスで発表会を開催した。

マネーフォワードはこれまで、個人向けの家計簿サービス、法人向けの会計サービス、「Money Forward for 〇〇」という形で金融機関などと共同で提供するサービス、そして「MF KESSAI」などの決済領域サービスの4つを事業領域としてビジネスを提供してきた。マネーフォワードラボの使命は、それらのサービスに集まる「個人の家計簿データ」や「法人の会計データ」の利活用の方法を探ることだ。

マネーフォワードラボでは「事業インパクト」と「データ優位性」が高い領域を優先領域として、注力する研究テーマを設定。具体的には、自然言語処理、機械学習/深層学習、UI/UXの3つの領域を磨くという。それにより、例として「家計改善・資産形成コンシェルジュ」「高精度な自動仕訳」「不正・異常検知」などのサービスに研究した技術を適用可能だとしている。また、お金の流れをわかりやすく提示したり、行動変容を促すUIなどの研究も進めていくという。

発表会に登場したマネーフォワード取締役執行役員CTOの中出匠哉氏は、「弊社はこれまで『データの見える化』をバリューとして価値提供してきた。そのうちに、家計簿サービスに集まるデータを活用すれば、ユーザーにより大きな価値を与えることができると考えるようになった。これまでも大学との共同研究などを通し、データの利活用について研究してきたが、家計データはセンシティブなものであるためセキュリティ面での運用に難があった」と話す。そのような理由から、マネーフォワードは自社内でデータの利活用を研究できる研究機関を立ち上げることとなった。

マネーフォワード取締役執行役員CTOの中出匠哉氏

マネーフォワードラボの所長を務めるのは、NTT、ヤフー、Zコーポレーションなどを経て2018年12月にマネーフォワードに入社した北岸郁雄氏。彼は2007年にヤフーでYahoo! JAPAN研究所を設立して研究開発業務に従事し、Zコーポレーションではファンドマネージャーとして投資業務を行ってきた人物だ。また、マネーフォワードラボの技術顧問は、理化学研究所革新知能統合研究センターの言語情報アクセス技術チームでチームリーダーを務め、ニューヨーク大学の研究准教授でもある関根聡氏(コンピューターサイエンス博士)が務める。

マネーフォワードラボ所長の北岸郁雄氏

北岸氏は発表会において、「データの利活用によって、家計、資産、会計の少し先の未来を可視化し、ユーザーが抱える不安を解決する」ことがマネーフォワードラボの目標だと語った。

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TechCrunch Japan

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