マンションの1室から生まれた完全栄養パスタ、ベースフードが1億円調達

完全栄養食品の「BASE PASTA」などを提供するベースフードは10月25日、グローバルブレインを引受先とする第三者割当増資を実施し、総額1億円を調達したと発表した。

同社が提供するBASE PASTAは、パスタ麺の生地にチアシードなどの栄養食品やビタミン群を練り込むことで、1食に必要な31種の栄養素をすべて含むことに成功した完全栄養食品だ。

ベースフードは2016年10月にMakuakeでクラウドファンディングを開始。目標金額の50万円に対し、その2倍となる約100万円を集め資金調達を成功した。

D2Cのサブスクリプションモデルで販売

ベースフードはD2C(Direct to Customer)と呼ばれるビジネスモデルを採用しており、自社で開発した製品を自社で販売している。基本的にBASE PASTAをスーパーなどに卸すことはせず、会員となったユーザーに定期販売するというモデルだ(一部レストランでは取り扱いもある)。

考えてみれば、健康食品とサブスクリプション型のビジネスは昔から相性が良いように思う。テレビショッピングでよく目にする青汁食品も、サブスクリプションモデルだ。

ベースフード代表取締役の橋本舜氏は、「健康食品は継続的に食べるからこそ意味があるもの。パスタという主食の一部を完全栄養食品にすることで、主食から健康を当たり前にしたいと思っています」と語る。

BASE PASTAを定期購入するユーザーは現在300人。平均して、1人あたり毎月15食をリピート購入しているという。

ベースフードは今回調達した資金を利用して、PASTAにつづく新商品の開発、マーケティング施策、メンバーシップサービスの充実を進める。これまで提供してきたパスタ麺だけでなく、パンやラーメンを完全栄養食品にした新商品を開発中なのだという。

また、同社はアメリカへの海外展開の準備も進めている。アメリカでも主食としてよく食べられているパスタを軸に、現地生産を行いながらの展開を考えているそうだ。海外での価格も、日本と同様に1食500円程度での販売を想定しているという。

新商品開発は今でもマンションで

ベースフードは2016年4月の創業だ。DeNA出身で食品開発のノウハウを持たなかった橋本氏。当時は彼が住んでいたマンションの1室で、さまざまな種類の小麦粉や栄養素を混ぜあわせ、試行錯誤しながらBASE PASTAを作り上げたそうだ。

でも、それは今でも変わらない。彼らは橋本氏が当時購入した個人用のパスタ製麺機を使い、さまざまな栄養食品を組み合わせ、目黒区にあるマンションの一室で新商品の開発に取り組んでいる。

もちろん最終製品の生産は製麺工場で行っているけれど、彼らが生み出す完全栄養食品は今でも“手作り”だ。

今も現役の新商品開発セットと、代表取締役の橋本舜氏

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TechCrunch Japan

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