額面通りに受け取って欲しい。デトロイトは3年前よりもベンチャー支援によるスタートアップを50%も増やしている。ミシガン州ベンチャーキャピタル協会(MVCA)の調査によれば、デトロイトには35のアクティブなベンチャー支援スタートアップがある。もちろん、これは他の地域に比べれば大きな数字ではないが、その成長は注目に値する。
偉大なミシガン州に住む私は、その成長を証明することができる。これまで、巨大で魂を打ち砕くような企業に支配されて来たこの土地のカルチャーの一部に、スタートアップが急速に入り込みつつあるのだ。ここ数年、スタートアップはデトロイト、グランドラピッズ、アナーバーの魂の一部となり、先の調査はその印象を裏付けている。
MVCAは、デトロイトよりは緩やかなペースではあるものの、ミシガン州は同様の成長傾向を辿っていると指摘している。過去5年間で、ミシガン州ではベンチャー支援スタートアップが48%増加している。
デトロイトをスタートアップたちにとって魅力的にしている点をいくつか挙げることができる。オフィススペースは安価であり、世界的な大学や企業の近いことから、人材も豊富だ。Dan GilbertやIlitch家のような、地域の実業家たちの中には、彼らのビジネスを取り囲む地域を活性化させるために、スタートアップに手を差し伸べているものもいる。
MVCAによると、州全体ではVCの資金の42%がライフサイエンス部門に、31%が情報技術に投資されている。しかし、デトロイトでは、その関係が逆になり、情報技術が投資の43%を占める一方で、ライフサイエンスが占める割合は23%になる。モビリティに対しては州全体で5%、デトロイトでは8%を占めている。
他の地域同様に、スタートアップへも目が向くようになれば、ミシガンのビジネスのためのエコシステムが完成する。そもそも大規模な自動車産業も、かつては意思の固い、時に非情な起業家たちの集まりに過ぎなかったのだ。
Billy Durant、Henry Ford、Walter Chrysler、そしてDodge兄弟は皆、会社をミシガンに設立したが、その成功は1夜にして成し遂げられたものではない。厳しい競争、企業化と資本の投下などを通して、これらの男たちはスタートアップから帝国を築き上げたのだ。そしてミシガン州は、他の地域と同様に、新しい起業家たちの集団が、自動車産業と同様の持続力を発揮して、産業を興すことができることを期待しているのだ。
かつての私は、FoundersとBellのビールが全米で買えるようになった今、ミシガンにやってくる理由はないね、と言う冗談を人々と言い合っていたものだ。しかし、それはもはや成り立たない。ミシガンに来て、デトロイトのダウンタウンの新しい活気を見て欲しい。そしてアナーバーへ車で45分飛ばして、何年も存在している活きの良いスタートアップシーンも見て欲しい。そしてグランドラピッズにも行き、醸造所やスタートアップでいっぱいの街をホッピング(ビールのホップにかけた駄洒落)して欲しい。最後にはミシガン湖に向かい、最高の湖へ連なる巨大な砂丘を眺めて欲しい。そしてもしフリントに来ることがあるならDMを送って欲しい。コーヒーでも飲もう。水も素晴らしい。
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(翻訳:Sako)