メルペイが分割払いに対応、年利15%はクレカ並みだが月支払い額を柔軟に変更可能

メルペイは7月7日、コード決済サービスの「メルペイ」に新たに分割払いのサービス「メルペイスマート払い(定額払い)」を追加した。1カ月のメルペイでの利用料金をまとめて翌月に後払いできる「メルペイスマート払い」のオプション機能で、これまでは一括払いだった利用代金を定額で2カ月以上に分割して支払えるようになる。手数料はスマート払いと同様の年率15%で、一般的なクレジットカードで分割払いした際の年利とほぼ同じ。

なお同社は、10月31日までに精算する決済金額について定額払いの手数料(年利)がゼロになる「定額払い手数料0円キャンペーン」を実施する。

メルペイスマート払いは、顔写真付きの免許証などと本人の顔をスマートフォンで一緒に撮影して本人確認を電子的に実施するeKYC(electronic Know Your Customer)である「アプリでかんたん本人確認」、もしくは銀行口座登録を済ませたユーザーが利用できる支払い方法。クレジットカードの翌月一括払いに相当し、メルペイ残高からの支払う場合は手数料は無料、コンビニやATMなどを使った返済の場合は1回あたり300円の手数料がかかる。

同社によると、メルペイ残高からの都度決済だと1カ月でどれぐらい使ったか把握しづらいという理由で、メルペイスマート払いを積極的に使うユーザーも多いとのこと。サービス開始当初は、メルペイやメルカリの利用実績に応じてAIがユーザーごとに限度額を判断し、月あたり最大5万円をスマート払い(後払い)にできたが、現在は限度額が20万円に拡大している。

なお、1カ月の限度額はメルペイがAIで判断した上限額(与信枠)以下にユーザーが自由に設定可能など、使いすぎを各自で防止する仕組みもある。実際に多くのユーザーは3〜4万円を上限に設定しているそうだ。

定額払いを利用するには別途申し込みが必要となり、所定の審査が行われる。定額払いのサービスを実現するために、メルペイはクレジットカード会社と同様に包括信用購入あっせん業者として登録済み。定額払いの審査についてもクレジットカード会社と同様に指定信用情報機関(CIC)への照会が含まれるため、「クレジットカードを止められてもメルペイの定額払いは使える」といった抜け道になることはないとのこと。もちろん、定額払いを延滞してしまうとCICにもその情報が記録されるため、ほかのクレジットカードなどの利用にも制限がかかる可能性がある。

また、メルペイスマート払いとは別に定額払いには上限が設けられるほか、定額払いを選べるのは最大で3つの決済取引(3商品)のみとなる。つまり、メルペイで10回決済しても分割で支払えるのは3回の決済のみというわけだ。

さらに月ごとの返済金額はあとから自由に変更できるので、臨時収入があった月だけ多く払う、金欠のときはミニマムで払うといった変更も可能だ。使えば使うだけ数千円から数万円の定額払いが延々と続くクレジットカードのリボ払い(リボルビング払い)に比べると、無間地獄を見る確率は低いと言える。

また、定額払いはあくまでもスマート払いのオプション機能なので、定額払いの上限がスマート払いの上限を超えることはない。定額払い中の残債はスマート払いの残枠(利用可能金額)から差し引かれるため、利用可能額は最大でもスマート払いの上限である20万円となる。

さらに、20歳未満は定額払い自体を使えないようになっている。ちなみにメルペイスマート払いも、18歳未満は利用できないほか、18歳と19歳は保護者の同意のうえで上限が1万円と低く抑えられているなど未成年の使いすぎ防止策も講じている。

メルペイは、dポイント連携を果たし、9月からはd払いとのQRコードを共通化も始まって利用できる店舗がさらに拡大する。そして今回の分割払いの対応で、ある程度の計画性のもとでより柔軟な支払いが可能になった。使いすぎにはくれぐれも注意だが、コード決済サービスとして使い勝手がさらに高まったと言えるだろう。

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TechCrunch Japan

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